肺炎の牛で不適切実験、鹿児島大学・共同獣医学部に問題点を指摘する情報提供あったが…本部は把握せず
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鹿児島大(鹿児島市)の共同獣医学部で、肺炎に感染した牛を使った不適切な実験が行われた問題で、実験を始めてまもない2022年度に学部の関係者に対し、問題点を指摘する情報が寄せられていたことが、わかった。情報は学部内にとどまっていた。大学本部は、今年2月に実験に関する別の情報提供があったことを受けて実験を中止しており、当時の学部の対応についても調査している。
大学によると、問題となった実験は抗菌薬の効果などを調べる目的で、21年度から、鹿児島市中心部にある
大学は今年2月、別の情報提供で事案を把握した。大学が調査を進めたところ、実験を行うために学内の委員会に提出した計画書に、肺炎にかかった牛を使うとの記載はなかったにもかかわらず、肺炎の牛が使われていたことが判明した。
国の指針に基づく大学の規則では、病原体を取り扱う動物実験には安全管理を講じる必要があり、学内の施設では「健康な動物を使う」と定められている。大学は同5月に実験を中止した。
実験では、屋内施設で肺炎の牛から病原体を取り出す作業が行われ、安全性の国際基準・バイオセーフティーレベル(BSL)2に該当する病原体「マイコプラズマ・ボビス」などが検出された。実験を実施した屋内施設の区域は、BSL2に適応していなかった。
読売新聞が取材で、22年度時点で把握していれば中止を含めた対応を検討したかと尋ねると、大学側は「そうなる」と答えた。大学は、当時の学部内の状況などを含めて調査を進めており、再発防止策も検討している。