セクハラで辞職の前知事に「任期を全う」決議案、福井市議会で協議…「通報者の気持ち考えていない」と物議

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 複数の県職員にセクハラにあたるメッセージを送ったとして、福井県の杉本達治前知事(63)が任期途中で辞職したことに対し、開会中の福井市議会12月定例会で、杉本氏に「自身の責務を果たすことを求める」決議文案が協議されている。辞職に伴う知事選(来年1月25日投開票)への再出馬を求めるようにも受け取れることから「通報者の気持ちを考えていない」と批判が高まっている。

福井市議会で協議されている決議文案
福井市議会で協議されている決議文案

 「杉本達治氏に、自身の責務を果たすべきことを求める決議文」の案は10日、田中義乃議長から議会運営委員会に提案された。

 案では「ハラスメント行為自体は、断じて許されるものではない」としながらも、北陸新幹線敦賀以西の延伸など県政の課題が山積する中、「(突然の辞職は)市政にも計り知れないほどの影響を及ぼしている」と主張。「県民の絶大なる支持を受け、当選した4年間の任期は最後まで全うすべきである」とした。

 田中議長はその狙いを「説明責任を果たさないままの辞職は無責任で、遺憾の意を表明した。再出馬はあくまで本人が決めることで、そのボールを杉本氏に投げた」と説明し、「再出馬の要請ではない」と強調した。ただ、ある市議は「杉本氏が知事選に再出馬し、残りの任期を務めるべきだという思いを込めている」と明かす。

 現時点では杉本氏が送ったメッセージの具体的な内容は明らかになっておらず、県が依頼した「特別調査委員」の弁護士3人による調査結果の公表は、年明け以降になるとされている。杉本氏が説明責任を果たす前の「先走り」とも言える動きには、反発する声が上がる。

 10日の議会運営委員会後の全員協議会で、鈴木正樹議員(共産)は「『任期を全う』には再出馬以外の方法がない。事実上の再出馬を求めるもので、市民は納得できない」と反対。近藤実議員(無所属)も「(杉本氏の辞職は)残念だが、今回の決議文案には賛成できない」と続いた。

 杉本氏の辞職に全会一致で同意した県議会からも異論が噴出する。ある県議は「(調査結果の)公表前に再登板を求める内容に読めて異常だ。市民が混乱する」と憤る。別の県議は「(杉本氏が)自らセクハラを認めて辞職したことの重大さを理解していない。通報者が決議文案を見てどう思うか、心配だ」とおもんぱかった。

 決議文案は、16日の議会運営委員会で正式に本会議に諮ることを決め、18日の本会議で採決される見通しという。

  村嵜要・日本ハラスメント協会代表理事の話 「調査結果の公表前に、市民への影響力がある市議会からこうした動きが出るのは、前のめり過ぎだ。いくら実績があっても、ハラスメントを行う人物は評価されない時代。通報者らに『杉本氏が返り咲くかもしれない』といった不安など、さらなる心理的なストレスを与える可能性が高く、配慮が足りない」

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