「みんなで大家さん」成田、実勢の数十~百数十倍で過大評価し出資募る…地元「利益生み出すにはほど遠い」

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 成田空港周辺の開発用地に出資すれば利益を得られるとする不動産投資商品「みんなで大家さん シリーズ成田」を巡り、事業者が投資対象とした土地について、ホテルや国際展示場などが完成すれば大きな利益を生むとして、実勢価格の数十倍~百数十倍に評価して出資を募っていたことが読売新聞社の調べでわかった。地元の不動産会社社長は「現状は投資に見合う利益を生み出すにはほど遠い状況。評価額に驚きを覚える」と話している。

「ゲートウェイ成田」の整備予定地(11月27日、千葉県成田市で)
「ゲートウェイ成田」の整備予定地(11月27日、千葉県成田市で)

ゲートウェイ成田構想

 「大家さん」は不動産会社「共生バンク」(東京都)のグループが手がける投資商品。同社は千葉県成田市小菅の約45万6000平方メートルの土地にホテルや展示場などを建設するという「ゲートウェイ成田構想」を掲げ、主力商品の「シリーズ成田」を1~18号販売。年利7%の利回りをうたい、約1560億円を集めた。だが、7月以降支払いが滞り、出資金の返還を求める訴訟が相次いでいる。

 成田11号の重要事項説明書をみると、出資対象の土地は、グループの不動産運用会社「都市綜研インベストファンド」(大阪市)が所有する山林1万3057平方メートル。評価額は111億7000万円、1平方メートルあたり約85万5000円となっている。

 このうち6528平方メートルをグループの開発業者「成田ゲートウェイプロジェクト5号」(東京都)に月額6598万円で貸してその賃料から配当を支払うとし、1口100万円で計8936口を募集した。

 共生バンクが市に提出した土地利用計画図によると、成田11号の土地は産業・再生医療センターの用地となっている。だが、土地は造成途中で建物は何も建っていない。

山林や原野の評価額が1平米171万円

 成田16号で出資を募ったのは、山林や原野計2万1229平方メートル。この土地の多くは駐車場や自然緑地とされ、利益を生みにくい用途だ。だが、評価額は363億2500万円で、1平方メートルあたり約171万円に上る。

 2020年8月に土地計1万461平方メートルを「成田ゲートウェイプロジェクト5号」に売った地権者は取材に対し、「契約額は約7900万円」と証言した。1平方メートルあたり約7600円の計算となる。土地4378平方メートルを売却した別の男性は「1平方メートルあたり約1万円で売ったと記憶している」と話した。

 国土交通省が運営するサイト「不動産情報ライブラリ」でも、成田市小菅の不動産価格は1平方メートルあたり2000円~1万円程度。「大家さん」では実勢価格の数十倍~百数十倍に評価して出資を募ったことになる。

地元不動産会社「成田駅前でもそんな土地ない」

 共生バンクグループを率いる柳瀬健一氏は8月、出資者向けの動画で「土地と建物、事業全体の資産価値は(ゲートウェイ成田開業後)3年目で1兆6900億円、5~6年目で2兆円と評価される」との見通しを説明している。

 だが、地元の不動産会社の男性社長は「現状は土地の造成も完了していない状況。(共生バンクによる)評価額は驚き。成田駅前にもそんな土地はない」と話している。

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