「みんなで大家さん」開発継続は困難、主要施設用地の契約終了…成田空港会社「工事の遂行能力確認できず」
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成田空港周辺の開発用地を対象とした不動産投資商品「みんなで大家さん シリーズ成田」の配当が遅れ、出資金の返還を求める訴訟が相次いでいる問題で、成田国際空港会社(NAA)が11月末に事業者の「共生バンク」との賃貸借契約を終了した用地には、ホテルや再生医療センターなど開発計画の主要施設の建設予定地が含まれていることが、読売新聞の調べでわかった。従来の開発計画では事業の継続は事実上不可能となる。
NAAは2020年9月、千葉県成田市小菅の約19万平方メートルの所有地を年1800万円の賃料で共生バンクに貸す契約を結んだ。共生バンクが掲げる巨大プロジェクト「ゲートウェイ成田」で開発を計画している約45万6000平方メートルの用地の約4割にあたる。
当初の賃貸借契約は23年9月末までだったが、その後2度延長され、今年11月末までとなっていた。期限が迫った同26日、NAAは共生バンクの資金面などを総合的に判断し、「工事の遂行能力が確認できなかった」(藤井直樹社長)として契約終了を決めた。
共生バンクが成田市に提出した開発用地の所有者一覧表によると、587筆のうちNAAの土地は270筆。小菅地区の間々田、天神台、根古屋、中台などに散在している。
NAA所有地の公図と共生バンク作成の土地利用計画図、市の「小菅地区地区計画」区域図を重ねると、4棟計画されているホテルのうち1棟はほぼNAA所有地と重なり、残り3棟も一部が重複していることがわかった。
市の地区計画に「再生医療など高度な医療研究を行う施設」と掲げられている再生医療センターの用地も約3分の1がNAA所有地だ。開発用地の雨水対策に必須の調整池も、2か所のうち1か所の大半がNAA所有地に含まれている。
NAAの藤井社長は11月27日の記者会見で「契約終了後は(NAA所有地での)造成工事はできなくなる」と話した。
一方、成田市は同25日、共生バンクから提出された、工事完了予定を27年8月末とする変更届を受理している。
だが、開発用地の約4割が使用不能となる中、現行計画での開発事業は事実上不可能だ。事業を継続するには都市計画法に基づき、共生バンクが市に対し、開発行為の変更許可申請を行わなければならない。場合によっては、資金計画書の提出も必要となるという。
同市の川瀬毅・都市計画課長は今月8日に開かれた市議会建設水道常任委員会で、「開発事業者(共生バンク)から、当面はNAA所有地以外で工事を進めていくとうかがっている」と答弁。そのうえで、「開発行為を完了させるにはNAAの土地での工事が不可欠」との認識を示し、「(共生バンクに)都市計画法の規定に基づき、今後の対応の報告を求めている」と話した。