中国が世界生産の7割握るレアアース、日本企業への輸出手続きに遅れ…日中関係悪化で「揺さぶり」指摘も
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日本企業に対する中国からのレアアース(希土類)の輸出許可手続きが、通常より遅れていることが分かった。台湾有事を日本の「存立危機事態」に認定しうるとした高市首相の国会答弁から7日で1か月となるが、答弁を受けた日中関係の悪化が背景にある可能性がある。日本政府は中国側の出方を見極めている。
複数の日本政府関係者が明らかにした。レアアースは、世界生産の約7割を中国が握り、電気自動車(EV)や風力発電、産業用ロボットのモーターなどに使われる。一部のレアアースについては、ほぼ全量を中国が握っている。
中国からの輸出が滞れば日本の製造業への影響が大きい。日本産水産物の事実上の輸入停止に続いて、中国側が規制に踏み切るかどうかが焦点となっていた。
日本政府関係者は「(レアアースを含む)重要鉱物の輸出手続きに遅れが生じている」と認め、「中国側の威圧や嫌がらせによる遅れなのかどうかは、まだ判断できない」と語った。別の政府関係者は「中国はレアアースを使って日本に揺さぶりをかけているようだ」と分析した。
中国政府はこれまで、対立する相手国にレアアースの輸出管理措置をかけ、「経済的威圧」に使ってきた。2010年9月の尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件後、レアアースの対日輸出規制を強行。今年4月には、米国による「相互関税」の対抗措置としてレアアースの輸出規制を実施した。
中国商務省報道官は4日の記者会見で、首相答弁を改めて批判したうえで、「日本側が独断専行するなら、中国側は必要な措置を講じ、一切の責任は日本側が負うことになる」と述べ、対抗措置を示唆した。レアアースを巡り、「法に基づいて輸出管理している」とも主張した。