ドイツ、兵力増強に向け18歳男性全員に適性検査を義務付けへ…国内各地で大規模な抗議デモ
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【ベルリン=工藤彩香】ドイツ連邦議会(下院)は5日、軍の兵力増強に向けた新たな兵役法案を賛成多数で可決した。志願制は維持しつつ、18歳になる男性全員に適性検査を義務づける。志願兵が目標数に達しない場合、議会が別途、抽選などによる徴兵を法律で定める仕組みだ。連邦参議院(上院)の承認を経て、来年1月に施行する。
ドイツは2011年に徴兵制を停止したが、ロシアによるウクライナ侵略などを受け、軍備増強が課題になっていた。現在約18万人の兵士を35年までに26万人に増やし、予備役も20万人確保するとしている。
兵役の期間は、最低6か月。新制度では来年、18歳になる男女に入隊意思などを問うアンケートを行い、男性に回答を義務づける。27年から18歳の男性全てに適性検査を義務化する。志願兵の初任給は、これまでより2~4割ほど高い月2600ユーロ(約47万円)とし、待遇改善を図る。
来年18歳を迎える男性には戸惑いが広がっている。ベルリン在住のマックスさん(17)は防衛力の強化の重要性は理解するが、「兵役には行かない。自分の人生は自分で決めたい」と話す。ブルーノさん(17)も「僕らには発言権も決定権もなく不公平だ。大人や政治が備えを怠ったツケを若者が払わされている」と憤る。
5日は兵役に反対する若者が国内各地で大規模な抗議デモを行い、「私たちは砲弾の餌食じゃない」「兵役に反対」などと書かれたプラカードを掲げた。