吉田寮関連展示
Yoshida Dormitory
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目次
- はじめに
- 署名について
- ドキュメンタリー動画の紹介
- 吉田寮の歴史
- 吉田寮・現棟の四季
- 吉田寮・現棟の内部について
- 吉田寮食堂・新棟について
- 吉田寮発行各種媒体のご紹介
- TV取材動画のご紹介
- 吉田寮生作成動画のご紹介
- 吉田寮のイベントについて
- 「自治」の歴史と現在
- 実生社刊『究極の学び場 京大吉田寮』
- 【受験生・大学生・院生向け】入寮案内について
京都大学吉田寮は、1889年築の「第三高等中学校 寄宿舎」を起源とする、現存する日本最古の学生寮です。
吉田寮は、現棟(1913年築)・食堂(1889年築、2015年改修済)、新棟(2015年築)の3つの建物からなります。特に現棟は建築的価値が高く、建築史学会、および日本建築学会近畿支部より保存要望書が出されています。
吉田寮の運営上の特色は、寮生による「自治」が行われていることです。その歴史は古く、初代総長・木下広次氏が大学自治の重要性を認めたことに遡ります。
本展示では、吉田寮の四季の風景や歴史が分かる写真、さらに「自治」のいまについて述べた資料を紹介いたします。ご覧いただけますと幸いです。
吉田寮自治会、オンライン署名活動実施中!
吉田寮自治会はオンライン署名活動「吉田寮の自治と歴史的建築を未来へ! 和解した今こそ対話の再開を!」を開始しました。署名、拡散にご協力いただけると幸いです。どうぞご賛同をお願い申し上げます。
署名リンク→https://www.change.org/SaveYoshidaryo
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吉田寮・現棟について
吉田寮・現棟は築112年の木造建築であり、現存する学生寮としては最古の建物となっています。
以下の動画は、建築ドキュメンタリー作家・若林あかね監督による作品『吉田寮は語る』です。現寮生・元寮生のインタビューなどを通して、自治寮での暮らしぶりや吉田寮に対する想いが生き生きと語られている記録映像です。
吉田寮の歴史
吉田寮の歴史は、1889年に建てられた、第三高等中学校(94年に旧制第三高等学校へ改組)の寄宿舎にまでさかのぼります。寮食堂は、当時の建築が現在の場所に移転されたもの(2015年に大規模改修済)であり、京都大学構内で最も古い建物ではないかと推定されます。
1913年、現在の場所に吉田寮(現棟)が建てられ、食堂も移転されました。それ以降現在に及ぶまで、多くの京大生に居住の場を提供してきました。過去にはノーベル物理学賞を受賞された赤﨑勇博士(故人)も在寮されていました。
ここでは、昔の吉田寮を写した貴重な画像を展示いたします。
※下の2枚の画像は京都大学大学文書館様 ご所蔵のものです。二次使用、無断転載はご遠慮ください。
(上)1915年撮影 (下)1938年撮影
吉田寮・現棟~春~
春は出会いと別れの季節。吉田寮も例外ではありません。卒業して旅立つ寮生もいれば、新しく寮に入ってくれる寮生もいる時期です。
※実際の入寮募集は2015年築の新棟に限って行っています。
吉田寮・現棟~夏~
現棟にはセミの鳴き声がこだまし、夏の訪れを感じさせます。
吉田寮・現棟~秋~
秋には吉田寮の象徴であるイチョウ並木が、きれいに色付きます。
吉田寮・現棟~冬~
2022年冬の大雪の際の吉田寮。幻想的な風景が広がりました。
吉田寮・現棟の内部について
吉田寮・現棟は北寮・中寮・南寮・管理棟からなります。北・中・南寮は2階建てで居室から構成されています。計140室に147人が居住できます。
管理棟には受付や事務室、談話室があり、寮の玄関となっていたり、寮生が集う場所となっていたりします。
現棟居室
現棟の居室は、112年間に及ぶ学生の生活の息吹が感じられます。住民である寮生が工夫して各居室を使用しています。
吉田寮・食堂について
吉田寮・食堂は1889(明治22)年に第三高等中学校(第三高等学校の改組前の名称)の寄宿舎の一部として作られた建物が、1913年に現在の場所に移転したものです。2015年には大規模補修が完了しました。
現在も食堂内には竣工当時の柱があり、当時の趣を今に伝えます。
吉田寮食堂は1986年に給食機能を停止し、現在は主にイベントスペースや寮生の自炊スペースとして用いられています。
吉田寮・厨房について
吉田寮食堂内にある「厨房」と呼ばれるスペースは、現在楽器スペースとして用いられています。
寮生や寮外生が集い、バンド練習やライブ活動を行います。
吉田寮・新棟について
吉田寮・新棟は2015年に完成した建物です。木造・RC混構造、地上3階地下1階建てとなっています。寮自治会と大学側との話し合いの結果建設されることとなりました。
現在も多くの寮生が居住しています。
吉田寮が発行している各種媒体について
吉田寮では、皆様に吉田寮のことを知っていただけるよう、様々な媒体を発行しております。
吉田寮通信は、コロナ禍で寮に来てもらうのが難しい中でも、多くの方に寮のことを知っていただきたいという思いで発行されています。現在7号までが発行されています。
吉田寮タイムズは、寮に関する最新のニュースを知っていただくために、吉田寮自治会や自治会執行委員会が発行しています。現在に至るまで18号が発刊されています。
『VIVA YOSHIDA』は吉田寮の情報誌として発行されています。
吉田寮TV取材動画のご紹介
毎日放送さま、関西テレビさま、朝日放送さま、読売テレビさまにご取材いただいた際のニュース映像でございます。
吉田寮生作成動画のご紹介
吉田寮自治会として裁判解説動画を作成しております。また、とある寮生が、吉田寮についての猫ミーム動画を作りました。
吉田寮のイベントについて
吉田寮は「開かれた場」を志向しており、寮では現在も多くのイベントが開催されています。特に「吉田寮祭」は毎年開かれる寮の代表的なイベントです。
1枚目の写真は吉田寮祭の象徴企画である「仮装決起」の様子です。着ぐるみを身につけて大学内を練り歩き、寮祭の宣伝を行います。
2枚目の写真は吉田寮祭の人気企画「黒魔術概論」の様子です。
「自治」の歴史と現在
尾池和夫氏、益川敏英氏も参加──団体交渉に基づく寮自治
吉田寮の運営上の特色は、寮生による「自治」が行われていることです。その歴史は古く、初代総長・木下広次氏が大学自治の重要性を認めたことに遡ります。
寮に関わる問題は、寮自治会と大学側担当者の間での「団体交渉」によって解決してきました。団体交渉は現在でも労働組合によって広く取られている交渉形態であり、相手側(大学教員)との権力差を埋めるために、学生が団体として交渉に臨みます。1971年には、「入退寮権は一切寮委員会が保持・行使すべき」ことが確認されました。1980年代には、大学当局が一方的に吉田寮の廃寮を通知したことがありましたが、寮生やほか学生、教員の粘り強い活動により、結果的には寮を存続させることができました。
またそうした中で、大学当局の担当教員とも関係を構築してきました。1990年代には、ノーベル物理学賞受賞者であり、著名な物理学者である益川敏英氏が学生部長に就任され、寮自治会との団体交渉に臨まれています。2000年代には後に総長となる尾池和夫氏とも団体交渉を行いました。2010年代に学生担当理事を務めた赤松明彦氏との歓談の様子は京大新聞にも掲載されています。
直近では食堂の大規模改修、新棟の建設が団体交渉の成果として挙げられます。また現棟について、団体交渉では補修の方向で合意がなされました。 しかしながら、山極壽一・前総長のもと、2015年末に学生担当理事に就任した川添信介氏によって、団体交渉が一方的に打ち切られました。
大学当局による対話拒否─そして訴訟へ
以降大学当局は、寮自治会に対して強硬な態度に出るようになります。2017年12月19日、大学当局は突如として、全吉田寮生に対し「2018年9月30日までに退去すること」を要求します。寮自治会側は当然抗議し、川添氏の意向に沿い、2018年に二度、少人数形式での交渉に臨みました。しかしながら、交渉において、川添氏は「合意形成はしない」と主張、さらにある場面では自治会側の出席者を恫喝し、それについてこちらが指摘すると、あろうことか「恫喝と取ってもらって構わない」と居直りました。
そうした中、寮自治会は2019年2月20日に、妥協案「吉田寮の未来のための私たちの提案」を発表し、吉田寮食堂(2015年改修済)の継続使用、及び寮自治会による清掃や点検といった現棟の維持・管理について合意できるのであれば、安全確保に向け、五月末をめどとした現棟の居住取りやめを行うことを表明しました。
この表明について、大学当局は黙殺し、2019年4月26日、京都大学法人が原告となり、吉田寮生(当時)の一部にあたる20人(2020年には訴訟対象を拡大し計45人となった)を被告とする建物明渡請求訴訟を、京大当局が起こしました。
自治の危機、復活への期待
以上の経緯をもって、大学当局による訴訟が始まったのですが、なぜ大学当局は、寮自治会の妥協案を無視し、これほど一方的かつ強硬な態度を取り続けているのでしょうか。
その答えは「自治」にあります。自由かつ活発な研究の根源として、大学では「自治」が長らく尊重されてきました。しかしそのことは、規制を強化したい政府の方針と、常にせめぎ合ってきましたそうした動きの中、他の大学では、東大駒場寮や東北大有朋寮といった学生自治寮が、廃寮となる事例が多く発生しました。
2004年の国立大学法人化以降、大学自治をめぐる状況は悪化の意図をたどり続けています。そして2015年の学校教育法改正により、大学教授会の権限が弱まり、長らく自治を担保してきたボトムアップの制度が危機に陥りました。
そうした中、2015年末に学生担当理事に就いた川添氏は、規制強化に向けて大きく舵を切ります。「タテカン規制」「11月祭禁酒規制」も川添氏のもとでなされた施策です。吉田寮訴訟は、こうした「自治つぶし」の動きが背景に存在するのです。
しかしながら、暗いニュースばかりでもありません。
2024年2月16日、吉田寮訴訟の第一審・判決が下され、寮自治会の主張を大幅に認める内容となりました。また昨今、コロナ禍を経て、まさに自治の根幹をなす「対話」が重視される風潮が生じています。
2025年8月25には、吉田寮訴訟は大阪高裁での和解という形で終了いたしました。しかしながら、対話の再開・現棟の補修方法といった問題は未だ山積しており、今後の両者の間での話し合いによる問題解決が求められています。
私たちは、吉田寮を存続させることで、将来の学生に安心して学業や研究に専念できる環境を提供することのみならず、対話を根幹とした自治の理念を残すことを目指し、今後も活動を続けていきます。
実生社刊『究極の学び場 京大吉田寮』
京都の出版社、実生社さんより『究極の学び場 京大吉田寮』が今夏に出版されました。
学生による自治を重んじ、100年以上独特の歴史を紡いできた京都大学吉田寮の「学び場」としての側面を、卒寮生や現寮生へのインタビューから紐解いています。先述した益川敏英氏のインタビューも、こちらの本に掲載されています。
大学附属図書館や京都府立図書館に所蔵されていますので、是非手に取っていただけたらと思います。
本の詳細はこちら
Organization Information
京都大学吉田寮は、1889年築の「第三高等中学校 寄宿舎」を起源とする、現存する日本最古の学生寮です。
吉田寮は、現棟(1913年築)・食堂(1889年築、2015年改修済)、新棟(2015年築)の3つの建物からなります。特に現棟は建築的価値が高く、建築史学会、および日本建築学会近畿支部より保存要望書が出されています。
吉田寮の運営上の特色は、寮生による「自治」が行われていることです。その歴史は古く、初代総長・木下広次氏が大学自治の重要性を認めたことに遡ります。
本展示では、吉田寮の四季の風景や歴史が分かる写真、さらに「自治」のいまについて述べた資料を紹介いたします。ご一読いただけますと幸いです。