G20首脳会議が開幕…南ア政府は「首脳宣言」発表も協議ボイコットの米国は反対、紛糾の可能性も
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【ヨハネスブルク=横堀裕也、笹子美奈子】主要20か国・地域(G20)首脳会議が22日、南アフリカのヨハネスブルクで開幕し、南ア政府は「G20首脳宣言」を発表した。南アのシリル・ラマポーザ大統領は会議冒頭で宣言が採択されたとの認識を示したが、協議をボイコットしたトランプ米政権は宣言採択に反対しているほか、この日の議論でも加盟国から異論が出た。宣言の扱いを巡り、協議が紛糾する可能性がある。
会議は加盟国のほか、16の招待国を加えた42か国・地域と国際機関が参加し、これまでのG20で最大規模となった。だが、来年のG20議長国の米国は「白人の迫害」などを主張して南アを敵視しており、トランプ大統領だけでなく、政府関係者が全く参加しない異例の対応を取った。議長国引き継ぎのための閉幕行事にのみ、関係者を出席させる意向だ。中国の
南ア政府が発表した首脳宣言は、気候変動や低所得国の債務問題への対応強化が盛り込まれ、新興・途上国の「グローバル・サウス」が主張する分野を前面に出した内容だ。世界経済については、「多国間協力を強化することの重要性を強調する」と明記した。米国の高関税政策も踏まえ、世界的に保護主義が台頭していることが念頭にある。
ウクライナ情勢を巡っては、ロシアを名指しせず、「平和実現と紛争・戦争の終結に向けて努力する」と言及するにとどめた。
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