能登半島地震の救助要請、SNS投稿の1割は偽情報…閲覧数を増やし収益を得る目的か

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 元日の能登半島地震の直後にX(旧ツイッター)などのSNSに虚偽の投稿が相次いだ問題で、救助要請に関するXへの投稿の1割が偽情報と推定されることが、総務省所管の国立研究開発法人・情報通信研究機構(NICT)の抽出解析でわかった。閲覧数を増やして収益を得る動きとみられ、NICTは「信頼性が確保された情報共有手段の確立が急務だ」と指摘する。

 NICTは地震発生から24時間以内に日本語で書き込まれたXへの投稿から約1万7000件を抽出。人工知能(AI)の解析で、「助けて」「SOS」などの表現から救助を求める内容の1091件に絞った上で、最終的にNICT研究員が1件ずつ被害情報と照らして真偽を判定した。

 偽情報とされた投稿は104件に上り、実際には被害の情報がないのに、いくつものアカウントから全く同じ文言で救助を求める投稿が大半を占めた。「助けを求めています。子供もいます」との投稿では、被災地の石川県 珠洲すず 市には存在しない地区名が書かれていた。発信元が海外のアカウントもあった。

 これらの投稿の多くが、広告収益の分配につながる「閲覧数(インプレッション)」を稼ぐ目的とみられる。

 7月24日には、地震の発生直後に被災者を装い倒壊家屋からの救助を求める虚偽の投稿をしたとして、埼玉県の男(25)が偽計業務妨害容疑で石川県警に逮捕された。このケースでは、投稿を見た人の知人が輪島市役所に通報し、情報に基づいて捜索が行われた。実際には家屋の倒壊はなく、これにより本来の警察の活動が妨害されたとしている。

 総務省消防庁によると、基本的に消防はSNSへの投稿だけでは出動しないが、担当者は「偽情報だと気づかず通報する人もいる。本当に救助事案が発生していれば放置は絶対に許されず、現場は難しい判断を迫られている」と明かす。

 偽情報への対策として、発信者の情報を明示するデジタル技術「オリジネーター・プロファイル(OP)」の開発を進める「OP技術研究組合」は、OP技術を利用した被災地での実証実験を今秋にも行う計画だ。

 兵庫県立大の木村玲欧教授(防災教育学)の話「偽情報の投稿は今後も増えると考えられる。特に救助要請は人命に関わる大きな課題で、救助機関がどのようにSNSと向き合えばいいか国などが指針を作り、現場の負担を軽減すべきだ」

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