トランプ政権、ロシア寄りの新和平案をウクライナに提示か…東部2州譲渡し見返りに米が安全保証
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【ワシントン=阿部真司】英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などは19日、米国のトランプ政権がロシアのウクライナ侵略を巡り、米露が作成した新たな和平案をウクライナに伝えたと報じた。ウクライナに東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)の割譲を求めるロシア寄りの内容で、受諾は困難とみられる。
FTによると、和平案は28項目で構成され、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使と、ロシアのキリル・ドミトリエフ直接投資基金総裁がまとめた。ウクライナ軍の規模半減や、米国からの軍事支援の削減も盛り込まれた。米ニュースサイト・アクシオスは、東部2州を譲渡する見返りに、米国がウクライナと欧州の安全を保証する内容も含まれていると伝えた。
ウィトコフ氏が今月中旬、訪米したウクライナの政府高官に和平案を提示し、受け入れを求めたという。米国はダン・ドリスコル陸軍長官をウクライナに派遣しており、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領と20日に会談する予定だ。新たな和平案について協議する可能性がある。
トランプ政権は新たな和平案で、停戦を実現させたい考えだが、FTは関係者の話として「(ウクライナにとっては)主権放棄に等しい」との見方を伝えた。