シャインマスカット苗木をフリマサイトで無許可販売容疑、54歳女を書類送検…ホームセンターで購入し庭で増やす
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高級ブドウ「シャインマスカット」の苗木を無許可で販売したとして、警視庁は19日、茨城県鉾田市の無職の女(54)を種苗法違反容疑で東京地検に書類送検した。2023年5月以降、自宅で栽培した12株をフリーマーケットサイトを通じて国内向けに販売し、約3万円を売り上げたとみている。
発表によると、女は23年9月~今年6月、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(茨城県つくば市)が品種登録しているシャインマスカットの苗木3株をフリマサイトに出品し、購入者2人に計2株(計5354円)を郵送して同機構の育成者権を侵害した疑い。「捨てるよりは売れば金になると思った」と容疑を認めている。
種苗法は、品種開発者の権利を守るため、無許可での譲渡や輸出などを禁じている。ただ、家庭菜園用の苗木は市販されており、女はホームセンターで購入した苗木を自宅の庭などで育てて増やしていたという。
シャインマスカットは同機構が33年かけて開発し、06年に品種登録した。16年頃に苗木が中国などに流出し、現地で栽培された商品が東南アジアなどで流通しており、農林水産省の推計では、海外への無断流出により年間100億円以上の損失が出ているとされる。