雄物川高バレー部、過去に何度も体罰訴える情報…県教委「指導が不十分だった」
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拳や靴で殴り、「地元に帰れ」――。長期間にわたり複数の部員に体罰と暴言を繰り返していたとして、秋田県教育委員会は7日、県立雄物川高校男子バレーボール部の宇佐美大輔監督(46)を懲戒免職処分にした。過去に何度も体罰を訴える情報が寄せられたが、県教委も同校も確認できず、県教委の担当者は「指導が不十分だった」と陳謝した。(吉田夏子、鈴木茉衣)
「被害に遭った生徒や家族、県民からの信頼を損なったことは遺憾」。県教委の鈴木雄輝・教育次長、古屋桃香・高校教育課長は県庁で開いた記者会見で頭を下げた。
会見によると、宇佐美監督は2023年4月~今年9月、体育館などで部員を平手でたたいて口を切るけがを負わせた他、腹を蹴るなどした。「バカ」や「地元に帰れ」などの暴言も浴びせたという。現役部員31人への聞き取りで16人が被害を訴えた。
県内で体罰を理由に高校教員が免職となったのは初めて。
宇佐美監督は「全国レベルに引き上げるには厳しい指導が必要と誤った考えがあった」と釈明したという。
ただ、宇佐美監督の体罰は初めてではない。監督に就任した2年後の16年度に部員4人に体罰を加えたとして、県教委が文書で指導したことがあった。事実は確認できなかったというが、19、21、23年度にも関係者らから体罰を訴える情報提供が寄せられていたという。
古屋課長は「我々の継続的な働きかけや強い指導が不十分だった」と説明した。また、同校の大石淑子校長を戒告の懲戒処分、高橋和夫教頭を訓告とした。
また、以前から在籍している外部のコーチが、宇佐美監督に代わって監督を務めていると説明し、コーチ時代から宇佐美監督の体罰を認識していたことを明らかにした。同校の聞き取りには、「誰にも相談できなかった」と話しているという。
古屋課長は、現在の監督は県スポーツ協会からの派遣のため処遇は決められないとし、「学校への報告を怠ったのは不適切」と話した。
同部は30年連続で全日本バレーボール高校選手権大会に出場する強豪で、10月17~19日に行われた同大会の県予選でも優勝した。
監督、11人への体罰認める…一問一答
会見での主なやりとりは次の通り。
――体罰と暴言を訴えた部員の人数は。
「体罰が14人、暴言が13人。このうち宇佐美監督は、11人への体罰と、12人への暴言を認めている。覚えていないものもあって、数にずれがある」
――外部の人が見学できない練習環境だったのか。
「関係者や卒業生の見学は実施されていた。校長や教頭など管理職の巡視も行っていたが、管理職の前での暴力はなかった」
――卒業生などへの調査は行わないのか。
「過去に情報提供があった際も聞き取りを行っている。また卒業後の動静を把握できず、調査が困難だった。今後本人から相談があれば対応する」
――再発防止策は。
「年に1度、体罰の有無などを調べるアンケートを生徒に行っているが、本事案は把握できなかった。生徒が声を上げやすいような仕組み作りを検討する」