死刑制度「やむを得ない」83・1%に増加、「廃止」はさらに増加の16・5%…内閣府が世論調査
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内閣府は21日、死刑制度の是非を問う昨年の世論調査の結果を公表し、「やむを得ない」と制度を容認する人は前回調査(2019年)より2・3ポイント多い83・1%だった。一方、制度廃止を求める人も前回より7・5ポイント多い16・5%となった。
過去20年間にわたり、制度容認派が8割を超えている。前回までは「わからない」「一概に言えない」との回答が10%程度あったが、今回から調査方式が面談から郵送に変更され、こうした回答がなくなった分、容認、廃止双方の回答が増えた形となった。
容認派の理由(複数回答)は、「被害者やその家族の気持ちがおさまらない」が最多で62・2%。「凶悪犯罪は命をもって償うべきだ」が55・5%、「死刑を廃止すれば凶悪な犯罪が増える」が53・4%で続いた。
一方、廃止派の理由(同)は、「裁判に誤りがあったとき、取り返しがつかない」が最多の71・0%で、前回より20ポイント以上増えた。昨年10月、静岡県一家4人殺害事件で死刑判決が確定した袴田巌さん(88)が再審無罪となったことなどが影響した可能性がある。
調査は内閣府が5年ごとに実施する「基本的法制度に関する世論調査」で、昨年10~12月、18歳以上の男女3000人を対象に行われ、1815人が回答した。コロナ禍の影響で調査方式が変更されたため、内閣府は「過去の調査結果と単純比較できない」としている。