<激変 京の大学経営・中>進む共学化 切実な判断

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18歳人口の「崖」危機感

 各大学は人口減少に対して、危機感を高めている。未来の学生となる目安である「18歳」の人口は今後、どのように推移するのか。

 文部科学省の推計によると、2025~29年度の5年間の18歳人口は約106万~109万人前後で推移し、受験産業では「踊り場」と呼ばれている。人口の多い団塊ジュニア世代が、親となる時代の巡り合わせで出現したものだ。

 しかし、翌30年度から減少幅が広がっていき、36年度には25年度比で約13%減の約94万人の見通しで、「崖」ともささやかれる。

 総合大学である龍谷大の土田浩平・入試部課長は「減り始めてあたふたしても遅い。予測できるなら(崖に対する)準備を今のうちにとなる」と危機感を語る。対象者が半分となる女子大は、共学に打って出るか、女子に特化した戦略をとるのか、より切実な局面となりえる。そうした中で京都では今年、女子大の動きが相次いだ。

 3月に京都光華女子大(京都市右京区)を運営する学校法人が中高大を含めて26年度から共学化すると表明。4月には京都ノートルダム女子大(京都市左京区)が同年度からの募集停止を決めた。いずれの学校も少子化を大きな理由にあげた。

 もう一つの背景は、文部科学省が経営が立ちゆかない私立大に対し、定員減や撤退を含めた厳しい姿勢を打ち出していることだ。

 同省のデータでは、上昇してきた大学進学率は将来的に60%程度で横ばいが続き、人数は26年度の約63万人をピークに減る。現在の定員が続けば、40年には、各都道府県の定員充足率のほとんどで8割を割ると試算されている。省内には統廃合を含めて支援する担当部署があり、今年度は42の学校法人について経営改善の指導を始めた。こうした対応は今後も拡大する見込みだ。

 今年に入り、2学部の広島女学院大(広島市)は運営法人を変えて27年度から改称して共学化することを明らかにし、今年4月から園田学園女子大(兵庫県尼崎市)は園田学園大に改称し、3学部の段階的な共学化を進めている。

 女子大は教養や幼児教育などの学部に限られ、学生数が少ない地方の小規模校も多くあり、経営判断を迫られやすい状況にある。

 一方、7月に女子大堅持を表明した京都女子大(京都市東山区)はデータサイエンスを含む文理の7学部で計約6200人の中規模校だ。

 20年前の05年、女子大から共学化した京都橘大の運営法人の足立好弘・専務理事は「共学化が進む中、女子大としてのブランド価値を生かす戦略だろう」と分析する。

 京都橘大は元々は文系2学部に計約1900人が在籍し、定員も満たしていたが、共学化と同時に看護学部を新設し、2、3年ごとに工学部など理系を含めた学部の新設や改編を続けた。現在9学部、学生数は計約8500人と女子大時代の4倍超になった。小規模校から大きく発展しながら、ブランド価値を高めた成功例として知られている。

 現在の受験生の志望動向について、足立専務理事は「女子大かどうかよりも、学びたい学部や学科が選べるかどうか、大学に『ブランド』があるのかを見定めるようになっている」とみる。「女子大堅持」「共学化」と方法は違えど、新たなブランド化によって生き残りを図る点では、共通する格好だ。

 さらに京都では30校超の国公私立大が集積し、大学進学時にあたる18歳の転出入をみても約1万9000人の流入超過(2023年度)で東京都に次ぐ状態。「大学間の競争で、全体の価値が上がる相乗効果があった」と振り返る。

 規模、ブランド力、京都特有の事情を踏まえ、どのような経営判断を下すのか。各大学は、難しい選択を迫られている。

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