<激変 京の大学経営・上>女子大堅持・改革で先手

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人口減 女性登用加速へ 

 今年に入り京都をはじめとする関西で女子大学の経営を巡り、募集停止や共学化など様々な動向が表面化している。なぜ、今このような動きが出ているのか。大学経営を巡り、何が起きているのか。大学関係者の証言やデータから、現状を報告する。

読売新聞のインタビューで大学改革について説明する京都女子大の竹安栄子学長(9月25日、京都市東山区の京都女子大で)=川崎公太撮影
読売新聞のインタビューで大学改革について説明する京都女子大の竹安栄子学長(9月25日、京都市東山区の京都女子大で)=川崎公太撮影

 「創立以来の建学の精神に基づき、女子大学であり続ける」。今年7月に「女子大学宣言」した後、改革案を公表した京都女子大(京都市東山区)。女子大の経営の苦境が伝えられる中、その逆を行く「女子大堅持」の姿勢に注目が集まった。

 「最近の動向を受けたものではない」。竹安栄子学長(75)は9月の記者会見で、宣言について、2020年の就任から発信してきた考えの延長線上にあると強調した。しかし、この発表に至るまでには、これまでにない経験や判断があった。

 京都女子大、同志社女子大と並び称される京都ノートルダム女子大(京都市左京区)の学生募集停止が4月に発表され、6月には女子大で最多の学生が通う武庫川女子大(兵庫県西宮市)の共学化方針が明らかになった。

 「うちの大学どうなるん?」。1949年に開学し、13万人超の卒業生を擁する関西有数の伝統校だが、学生らの間に動揺や不安が広がった。竹安学長は「女子大は自主性や潜在的な力を引き出す重要な教育機関」と位置づけ、社会を変革する原動力になる女性の育成を掲げてきた。こうした理念に基づく女子大堅持の立場は、学生とも共通認識と思っていただけに「えらいことになった」と直感。このため、7月の「宣言」を急いで出すに至ったことを9月に行った読売新聞のインタビューで打ち明けた。「女子大が不要になるのは男女平等が完全に実現した時だ」

 法学部1年の学生(19)は「女子大なら自分らしくいられると選んだので、4年間の安心につながった」と話し、現代社会学部3年の学生(20)も「大学の原点を思い出させる強いメッセージで信頼感が生まれた」と振り返る。

 学内で宣言をとりまとめた後、食科学部や経営学部(仮称)の新設、返済不要の奨学金創設など、改革の具体化を急ぎ、2か月後の9月に公表した。

 多くの改革案は10年単位の長期的視野で議論を重ねていたものだった。そんな中でも竹安学長に改革の実行を即決させたのは、人口減少が理由だったという。未来の学生となる18歳以下のほか、社会の担い手の減少も大きな要因だとした。

 竹安学長からみて、1986年の男女雇用機会均等法の施行後も、男女間の実質的な格差解消や女性の職業領域の拡大は十分に進まなかった。21世紀に入っても、女子大は幼児教育や栄養学などを中心に据え、教育の変革もゆるやかな状況だったとみる。

 近年は女性や高齢者の就労が増加した。それでも人口減が続く中、就労者全体としては増える余地が少ないまま。さらなる女性人材の登用が高まる格好となった。「社会の持続的発展に必要な女性の受け皿が初めてそろった。もう悠長なことは言っていられない」と考え、先手を打ったことを強調した。

 京都女子大の経営戦略から、人口減などの社会構造の変化に対応を迫られる大学側の実情が垣間見えてきた。様々な課題を検証する。

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