「自衛隊法でクマの銃駆除は困難」と箱わな運搬など支援要請、秋田県知事が小泉防衛相と面会へ

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 相次ぐクマによる人身被害を受け、秋田県の鈴木健太知事は27日、防衛省に自衛隊派遣を要請すると正式に表明した。28日に同省を訪れて小泉防衛相と面会する。クマを捕らえるための箱わなの運搬などを中心に依頼するという。

クマに襲われたとみられる女性の遺体が見つかった現場周辺(27日午後4時57分、秋田市で)=吉田夏子撮影
クマに襲われたとみられる女性の遺体が見つかった現場周辺(27日午後4時57分、秋田市で)=吉田夏子撮影

 県が自衛隊に支援を求めるのは、▽重さ70~300キロ・グラムある箱わなの運搬と設置▽仕掛けた箱わなの見回り▽駆除した個体の解体処理――など。銃でクマを駆除することは自衛隊法などの規定で難しいことから、武器使用は要望しない。

 鈴木知事は県庁で取材に応じ、「クマ被害は深刻だ。市町村の要請で現場に出動してくれる猟友会員は高齢化が進み、マンパワーも限界にきている」と話した。「県警のマンパワーも出し切っており、頼るのは自衛隊しかない」とも述べた。

エゾシカ捕獲「白糠の夜明け作戦」

 防衛省によると、陸上自衛隊は2010~14年度、北海道の依頼を受け、道東の 白糠しらぬか 町と遠軽町で地元ハンターによるエゾシカの捕獲に加わった。ヘリコプターで上空からシカの動きを地上に伝えたほか、雪原でハンターが駆除したシカを雪上車に載せて輸送した。白糠町での活動は「白糠の夜明け作戦」と呼ばれた。

 陸自は14~16年度にも高知県の要請でニホンジカ駆除のためにヘリを出動させた。北海道のケースを含め、これらの支援は「訓練」の一環として実施された。防衛省幹部は「関係機関と連携し、どんな協力ができるのか精査したい」と話す。

 一方、警察庁は24日付で、住民の安全確保を最優先に対応するよう都道府県警に通達した。警視庁も同日付で通知を出し、警察官が携帯する拳銃の使用には十分注意するよう全警察署に求めた。同庁幹部によると、クマの頭蓋骨の硬さや皮下脂肪の厚さなどから拳銃での駆除は不可能に近いという。通知では、クマに致命傷を与える威力はなく反撃を受ける恐れがあるとした。

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