厳しさ増す安全保障環境、なり手不足の自衛官…AI活用や無人化では効果に限界

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「民間に負ける」

 危機感を抱く政府は昨秋から自衛官の処遇改善を検討し、今年5月には各種手当を増やすなどの関連法を成立させた。自衛官は危険で長期間帰宅できない任務に就くことが多い。現役自衛官からは待遇への不満が頻繁に聞かれる。処遇改善は意義ある取り組みだ。

 だが、人材難を大きく改善する一手にはなりそうにない。少子化による構造的な問題で、就職は学生優位の売り手市場が続く。採用の現場を知る自衛隊関係者らは「処遇改善の効果をあまり感じない。アピールしても民間に負ける」と口をそろえる。

 政府は18年度、募集対象者の年齢(18~26歳)の上限を32歳に引き上げた。対象者は一時的に増えたが、時代とともに減る流れは変わらない。

 政府は自衛官の定年を段階的に引き上げる方針。自衛隊内には「幹部ばかりが増え、『階級インフレ』が進むだけだ」と冷ややかに見る向きもある。

 防衛省は無人機や人工知能(AI)、民間力を活用して業務を無人化、省人化しようとしているが、目下の人手不足を緩和するには至っていないようだ。

 無人偵察機の導入に関わった幹部は「地上での操縦士や整備士が必要であることに変わりはない。今の技術水準では大幅な省人化は幻想にすぎない」と話す。

 AIは、情報本部が公開情報の収集や分析に使っているほか、目標の探知や識別で活用を始めた部隊もある。一方で、作戦の立案では最終的に人間が決断する必要があり、AIでは代替できない。

 民間力の活用も難航している。陸上自衛隊は総務や補給など一部業務を民間に委託するが、関係者によると、それによって第一線の部隊に割り振ることができる隊員の数は、想定の6割にとどまる見込みだ。

定員と乖離

 定員と現員がさらに 乖離 かいり していきかねない状況を危惧する声は、制服組(自衛官)と背広組(防衛官僚)を問わず多くの隊員から聞かれる。人口減を直視し、定員を現実的な数字に見直して現員との差を縮め、コンパクトでも精強な体制を築くべきだという問題意識が広がる。

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