大学生の自殺24人増434人、就職など様々な悩み抱え周囲は異変に気付きにくく…「自殺対策白書」
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厚生労働省は24日、2025年版「自殺対策白書」を公表した。自殺者全体は減少する中、20歳代までの若年層の自殺が増加している実態が記され、就職などを控える大学生の自殺者が400人を超える深刻な状況となっている。大人として扱われることも多い大学生については周囲が異変に気付きにくい面もあり、専門家は「大学による対策や支援が必要だ」と指摘する。
白書によると、24年の自殺者は前年比1517人減の2万320人で、1978年の統計開始以来、2番目に少なかった。
今回の白書では、過去10年の若年層に特化した自殺状況を分析している。全体数が減る中でも若者は増えており、24年の小中高生の自殺者数は過去最多の529人となった。内訳は高校生351人、中学生163人、小学生15人だった。
大学生は前年比24人増の434人となり、年齢別では3、4年生に相当する21歳が最も多かった。21歳の自殺者の原因・動機(複数計上)の割合でみると、就職などの「進路に関する悩み(入試以外)」が最も高く、男性は24・2%、女性は19・5%となった。
学校や家庭についての悩みが原因となるケースが多い中高生に比べ、大学生は進路や学業、アルコールなど問題が多様化するのも特徴という。福岡大病院精神科の衛藤暢明医師は「大学生の多くが親元を離れ、社会との関わりも増えるため背景や要因も複雑になり、周囲が異変に気づきにくい面がある。異変が見られた際には速やかに支援できるよう、大学が体制を整えることが重要だ」と指摘する。
厚労省は、悩みを抱える人に、「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)に相談するよう呼びかけている。