農相から防衛相に転じた小泉氏「国家存立の崇高な任務担う」、維新対応迫られる上野厚労相「誠実に協議」
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悪化する安全保障環境や米価の高騰、社会保障改革まで、高市政権が直面する課題は多岐にわたる。支える新閣僚たちは、一様に表情を引き締めていた。
農相から防衛相に転じた小泉進次郎氏は21日夕、記者団に「国家の防衛という国家存立の基本である崇高な任務を担う。重責をしっかりと認識し、国民に安心していただける仕事をしていきたい」と抱負を述べた。
農相として政府備蓄米の放出を主導し、注目を集めた小泉氏。新政権の「顔」とも言える防衛相の誕生に、防衛省の幹部は「情報発信力に期待したい」と話していた。
後任の農相として初入閣した鈴木憲和氏は、元農林水産省の官僚だ。高止まりが続く米価について、「市場に不足感があれば増産し、供給過剰であれば抑制していく」としつつ、「『高すぎて手が出ない』という消費者に手当てすることも大切」と強調した。
新潟県十日町市のコメ農家(79)は「大臣が交代するたびに方針が急変しては困る」と話し、東京都江東区の米穀店社長(72)は「コメは少しでも足りないと不安が高まり、買い占めにもつながる」とみる。生産者と消費者の双方に目を配るバランス感覚が求められることになる。
初入閣の上野賢一郎厚生労働相は早速、日本維新の会が求める社会保障制度改革などへの対応を迫られる。「国民生活に密着した分野でもある。誠実に協議を進めたい」と力を込め、厚生労働省幹部も「スピード感を持った改革が必要になる」と緊迫感をにじませた。