京大霊長類研究所の不正支出問題、懲戒解雇された元所長が3290万円支払いで和解
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京都大霊長類研究所(解体)での研究資金不正支出問題を巡り、京大が、元所長でチンパンジー研究の第一人者、松沢哲郎氏(懲戒解雇)らに2億円の損害賠償などを求めた訴訟は、京都地裁で和解が成立した。和解調書によると、松沢氏が解決金として約3290万円を支払い、京大に地位確認を求めた訴訟を取り下げる。和解は10月7日付。
訴状によると、2010~12年度、松沢氏を代表とする研究が日本学術振興会の補助金交付対象となった際、研究用飼育ケージの一般競争入札に、ケージの仕様策定に直接関与した業者が参加。同振興会は入札妨害にあたるとして補助金の返還命令を出した。
京大側は、松沢氏がこの業者の参加を黙認したと主張し、同振興会に返還した計3億6100万円のうち2億円の賠償を松沢氏に求めたが、松沢氏側は、入札手続きは大学の経理責任者が取り仕切るもので自らの責任範囲ではないと反論していた。
松沢氏側の代理人弁護士は「非を認めたわけではないが、訴訟を長く続けたくないと考えた」とコメント。京大は「和解は事実だが、それ以上は答えられない」としている。