マダガスカルでクーデターか、所在不明の大統領「違法な権力掌握の試みが進行中だ」
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【ジュバ=笹子美奈子】ロイター通信によると、マダガスカルのアンジ・ラジョリナ大統領は12日、「武力による違法な権力掌握の試みが進行中だ」とする声明を出した。軍の精鋭部隊が国内の治安維持などを取り仕切る意向を示しており、事実上のクーデターが進んでいるとみられる。
ラジョリナ氏の所在は不明で、国外に逃亡した可能性も指摘されている。マダガスカルでは9月25日から、断水と停電の解消を求める若者が反政府デモを続け、治安部隊との衝突で22人が死亡した。
軍の精鋭部隊は11日、数千人の若者が集まった首都アンタナナリボ中心部のデモで、政府の指示に背いてデモを支持した。ラジョリナ氏が主導した2009年のクーデター以降、軍はラジョリナ氏と協力関係にあったが、離反した模様だ。
マダガスカルは人口の69%(21年)が国際貧困ラインの1日3ドル(約460円)以下で生活し、安全な飲料水を利用できるのは22%にとどまる。国民の74%が農業に従事するが、気候変動の影響で生活がさらに苦しくなっている。
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