正座でお辞儀するミャクミャク像、手がけた29歳「こんなに受けるとは」…万博は若手が飛躍する舞台

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万博考 レガシーを問う<4>

 大阪・関西万博の玄関口・東ゲート前。正座でお辞儀する姿で出迎えるミャクミャク像の前では連日、記念撮影の人だかりができている。

 「こんなに受けるとは」。デザイナーの山岡拓磨さん(29)は9月18日に会場を訪れ、感無量の様子で見守った。

お辞儀姿のミャクミャク像前で「こんなに注目してもらえるなんて」と話すデザイナーの山岡拓磨さん(9月18日、大阪市此花区で)
お辞儀姿のミャクミャク像前で「こんなに注目してもらえるなんて」と話すデザイナーの山岡拓磨さん(9月18日、大阪市此花区で)

 勤務先は、社員10人ほどの企画会社「株式会社人間」(大阪市)。頼まれてもいないのに、開催決定前からフリーペーパーなどで万博の機運醸成に努めてきた。そんな勝手連的な活動が、会場全体のデザインを統括する建築家、藤本壮介さん(54)の目に留まり、「会場装飾」を打診された。広場や通路といった空間を活用し、「ワクワク感」をつくり出す仕事だ。

 計画に取りかかった山岡さんらは会場の図面を見て、気がついた。

 「 えるスポットがない」

 東京ディズニーランドならシンデレラ城、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)なら地球儀がある。万博なら何か――。

 「ミャクミャクを使おう」「大阪なら、商人でしょ」。会議は盛り上がった。公式キャラクターを使い、福助人形をモチーフにしたオブジェを作る案が固まった。

 両手を前に添えるデザインは、山岡さんが描いた。「正座するドラえもんは少し脚が長いんですよ」。ミャクミャクの短い脚を大胆に伸ばし、「いらっしゃいませ」と書いた案内板を横に置いた。

 「こみゃく」と呼ばれる目玉のイラストを使ったフォトスポットや壁アート。スイス館には「ス」の形をした真っ赤な椅子「スイス」を飾った。山岡さんら社内外のアーティスト集団が、様々な仕掛けをあちこちに施した。

 SNSには、「映えるスポット」でポーズを決める写真が次々と投稿された。

 山岡さんは、手応えをつかんでいる。「次の大企画に向け、もっと成長したい」

 万博は、若い世代が飛躍する舞台でもある。

 1970年大阪万博では、30歳代だったファッションデザイナーのコシノジュンコさんや建築家の黒川紀章さんらが注目を浴びた。

 今回は、AI(人工知能)が生成した自分の「分身」と対話できるテーマ館を手がけたメディアアーティストの落合陽一さん(38)、人と技術の調和を描いた作品を「未来の都市館」で放映した映像作家の清水貴栄さん(38)らが存在感を示した。80年以降に生まれた建築家20人も、「2億円のトイレ」など20施設を設計した。

 大阪公立大の橋爪紳也特別教授は「半年しかない万博は思い切った挑戦ができる。それを見た子供たちが『よう分からんが、おもろい』と感じ、自由な発想を知るきっかけになれば、未来への種はまかれたと言えるだろう」と指摘する。

 万博には、地元・大阪だけでも約40万人の小中高生らが無料招待された。大阪市の中学3年(15)は「世界は広い」と実感し、国連の職員にあこがれるようになった。

 55年前の万博でも、将来の夢を見た人がいた。ノーベル賞受賞者の山中伸弥・京大教授(63)もその一人。小学2年の頃に見学し、科学者を目指すようになった。子供たちへのメッセージを本紙に託した。

 「万博で心に残ったことがたくさんあるはず。興味を持ったことを深く探求してほしい。その経験や探求の過程は、皆さんの未来を切り開く力になるでしょう」(佐々木伶、飯田拓)

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