[アジア系米国人]<1>「くたばれチャイナマン」、道路に全身たたきつけられた中華街の市長

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 米カリフォルニア州オークランドに、全米で最も古い中華街の一つがある。英語より漢字の看板が目立つ表通りは、コロナ禍でめっきり人通りが減った。

 この街で今年前半、アジア系住民への暴行事件が相次いだ。中華街の店は現金商売が多く、強盗などに狙われやすいのは今に始まったことではないが、今回は何かが違った。理由もなく、ただ殴られる。91歳の男性が通りがかりの男に突き飛ばされる事件も起きた。

 治安悪化のイメージは、不況にあえぐ街に追い打ちをかけた。300を超える商店は客足が途絶え、一時は7割以上が休業した。

中華街で突然暴行を受けた商工会議所会頭のカール・チャン氏(7月8日、カリフォルニア州オークランドで)
中華街で突然暴行を受けた商工会議所会頭のカール・チャン氏(7月8日、カリフォルニア州オークランドで)

 「このままでは中華街が消えてしまう」。15歳で香港から移住してきたカール・チャン(62)は危機感を隠さない。中華街商工会議所の会頭を務め、「中華街の市長」の異名をとる。いわばこの街の世話役だ。暴行事件後、警察に巡回強化を依頼し、デモを主催して人種的偏見に根ざす犯罪の撲滅を訴えてきた。

 4月29日、そのチャン自身が暴力の標的となった。

 中華街を1人で歩いていた時、後ろからの足音に気づいた。「くたばれチャイナマン(中国人)」という罵声の後、全身を道路にたたきつけられた。

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