シカへ暴行 禁止行為に

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動画拡散受け 県条例の運用 一部改正 

「野生動物 適切に接して」

天然記念物に指定されている「奈良のシカ」(奈良市で)
天然記念物に指定されている「奈良のシカ」(奈良市で)

 国の天然記念物に指定されている「奈良のシカ」について、奈良公園(奈良市)を管理する県は、県立都市公園条例施行規則の運用を一部改正し、シカに対する暴行などを禁止行為に追加した。シカを蹴るなどした動画が拡散されていたことを受けての対応で、施行は4月1日から。県は「ペットのように接する人もいる。野生動物であることを理解し、トラブルにつながらないよう適切に接してほしい」と呼びかけている。(山田珠琳)

 昨年7月、奈良公園内で何者かがシカを蹴る様子がSNSに投稿、拡散された。その影響で、県や奈良のシカの保護活動を行う一般財団法人「奈良の鹿愛護会」に対策を求める意見や要望が複数寄せられていた。

 奈良のシカを傷つけるなどした場合、文化財保護法違反で罰せられる。だが、施行規則では2017年の改正で「鹿せんべい」以外の食物を与える行為を禁止しただけで、同法違反にあたらないような加害行為には規制がなかった。

 観光客の増加に伴い、シカにかまれるなどの被害が表面化していることも踏まえ、県奈良公園室は昨年8月から、シカへの正しい接し方の周知を強化。奈良公園内をパトロールするボランティアらが、加害行為が認められた場合は声かけを続けていたが、同室によると「何を根拠に注意しているんだ」などと、さらなるトラブルを招くこともあったという。

 そこで県が中心となり、有識者らでつくる委員会などで議論。今年3月に施行規則の運用を一部改正し、加害行為を「みだりに、身体に外傷が生ずるおそれのある暴行」などと定義した上で、シカをたたいたり、蹴ったりする行為を禁止した。今後周知を図る。

 愛護会によると、奈良公園には約1300頭(2024年7月現在)のシカが生息している。山崎伸幸事務局長は「シカを守るため規制の強化を求めていた。県と連携し、加害行為が認められれば、現場に駆けつけて対応していきたい」と話している。

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