トランプ氏「解熱鎮痛剤で自閉症リスク」主張が物議…米学会は「科学的裏付けない」
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【ワシントン=中根圭一】米国のトランプ大統領が解熱鎮痛剤の有効成分であるアセトアミノフェンについて妊婦は服用を控えるよう注意喚起したことが、物議を醸している。「妊娠中に使用すると子どもの自閉症のリスクを大幅に高める可能性がある」と主張したが、研究者の間では、因果関係について評価が定まっていない。
ホワイトハウスで22日に記者会見を行った。アセトアミノフェンは「タイレノール」などの商品名で世界的に使われ、日本で流通する解熱鎮痛剤にも含まれる。
発表では、米国で8歳までに自閉症と診断される子は2000年時点では150人に1人だったが、22年時点では31人に1人に増えた。トランプ氏は「タイレノールを服用するな」と強調。その理由として、妊娠中のアセトアミノフェンの服用が子どもの脳などの発達に影響を及ぼす可能性を示唆する複数の研究成果があることを挙げた。トランプ氏は26日もSNSを通じ、妊婦に服用の中止を呼びかけた。
ただ、米産科婦人科学会はアセトアミノフェンを医師との相談のうえで妊娠中に安全に使用できる薬として紹介しており、「妊娠中のアセトアミノフェンの使用が自閉症につながるという主張は科学的に裏付けられていない」としている。
世界保健機関(WHO)も23日、「関連性があるなら、複数の研究で一貫した結論が出るはず」とくぎを刺した。
米エール大のゼヤン・リュー准教授(環境保健科学)の話「アセトアミノフェンの使用が自閉症の原因なのか解明されておらず、さらなる調査が必要だ。妊娠中に頻繁に長期にわたり使用することはリスクになるが、発熱や痛みがあるのに治療を施さないと、母体や子どもの発育にリスクをもたらす恐れがある。用量や期間を最小限にとどめることが推奨される」
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