新小岩―金町にBRT新路線、10駅ほど整備へ…南北の移動手段が限られる葛飾区
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東京都葛飾区は、同区のJR総武線・新小岩駅付近と常磐線・金町駅を結ぶJRの貨物線沿いに専用道を整備し、BRT(バス高速輸送システム)を導入する方針を固めた。年内にも具体的な整備構想案を取りまとめ、事業化計画の策定を進める。
区によると、区内を南北に走るJR貨物線「新金貨物線」の新小岩―金町駅間(約7キロ)に沿って専用道を新設し、10駅ほどを整備する。BRTの運行は1時間あたり6~10本とし、1日約3万人の利用を見込む。
専用道や駅、車両などは区が整備・保有し、運行・管理は区が出資する第3セクターか民間のどちらかが行う方向で検討している。事業費は、概算約320億~560億円で、国の補助金なども活用するという。
区内の南北をつなぐ公共交通機関はバスだけで、区は当初、2030年頃を目指して貨物線の旅客路線化を計画。22年8月から、JR東日本や京成電鉄の担当者らと構成する委員会などで検討を進めてきた。
だが、貨物線に旅客車両が走る場合、金町駅近くの国道6号と交差する踏切がたびたび塞がり、渋滞が頻発する懸念があった。区はBRTであれば一部のルートを一般道に変更でき、早期の実現が可能と判断した。今後、開業時期についても協議する。
住民の間では南北の交通環境の改善を求める声が根強く、区はBRTの導入によって利便性の向上を図るとともに、地域の活性化にもつなげたい考えだ。
◆BRT= 一般道と分離した専用道などにバスを走らせ、交通の効率化を図るシステムで「Bus Rapid Transit(バス・ラピッド・トランジット)」の略。地域の事情に応じて連節車両や自動運転など運行方法を変更でき、各地で導入が進んでいる。