福岡県久留米市立小学校の男子児童へのいじめ、第三者委員会が一部行為を認定…不登校の原因とは認めず
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2023年、福岡県久留米市立小学校に通っていた男子児童(当時4年)が所属していた校外のスポーツチームや学校で同級生や上級生から悪口を言われるなどのいじめを受け、不登校になったとして、久留米市教育委員会がいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定していた問題で市教委は19日、第三者委員会がまとめた報告書を発表した。報告書では、男子児童への一部行為をいじめと認定したが、この行為を不登校の原因とは認めなかった。
市教委によると、同年9月、男子児童と保護者からいじめに関する申し立てが学校にあった。男子児童は不登校になった後、市外の学校に転校した。
報告書では、スポーツチームに所属する児童が男子児童の自転車を「ださい」と言ったことをいじめと認定したが、これが不登校の原因であったとまでは言えないとした。一方で、チーム内の話し合いの場に他の保護者の要請で意に反して出席させられたことなどで、男子児童に新たな精神的苦痛が生じ、不登校や転校といった経過に影響を与えたものと考えられると結論づけた。
学校と市教委の対応については、スクールカウンセラーなどを交えた組織的対応が不足していたことや、学校と市教委間で連携が不足していたことなどを課題とした。再発防止に向けては、いじめに関する研修の促進などを挙げた。
市教委によると、報告書について保護者は「訴えた被害が事実として認定されていない点があり、2年という長い期間を考えても納得できない結果になりました」などと話したという。記者会見した平田敬一教育部長は「報告書を踏まえて、学校でのいじめの早期発見と早期対応、学校と市教委が連携した再発防止に取り組みたい」と述べた。