職員97人不正受給疑い 八王子市 通勤手当1671万円返納
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八王子市の多数の職員が通勤手当を不正に受給していた疑いが浮上し、部長ら管理職4人を含めた97人の職員が受け取った計1671万円を返納していたことがわかった。読売新聞の情報公開請求に対し、市が開示した。市職員課は「さらに調査を進め、不正に関与した職員の処分は厳正に行う」としており、処分される職員は多数に上る見通しだ。(長谷部耕二)
■徒歩なのに「バス」
同課によると、都内の自治体で通勤手当の不正受給が相次いで発覚したことを受け、八王子市は昨年10月に正規職員約2700人のうち、公共交通機関を利用していた1111人について通勤の実態を調べた。この結果、市に届け出た交通費の区間と、実際に利用した区間が異なる職員が166人いることが判明した。
市の規定では、実際に利用する交通機関の交通費だけを通勤手当として請求できる。市労務課が昨秋に対象の職員に聞き取ったところ、自宅や最寄り駅から市役所まで「バス利用」と届けていた職員の中で、実際には徒歩で通勤していた事例が多数見つかった。職員からは「届け出ていたことを失念していた」「通勤手当の認識を誤っていた」などの説明があったという。
開示資料などによると、このうち定期券を購入していなかった97人の職員に返還を求め、昨年12月、バスや電車の定期代計1671万円が返納された。この中には、部長1人、課長3人、課長補佐6人が含まれている。
■厳正処分へ
ただ、不正受給の総額は返納額とは一致せず、いまも確定していない。実際にバスを利用していた時期もあった事例などがあるためで、同課で調査を進めている。
調査に時間がかかっている理由について、労務課の冨沢知恵子課長は「調査対象者が多く、聞き取った内容の再確認をしているほか、他に該当者がいないか追加調査を続けている」と説明。職員課の石川智也課長は「なるべく早く全件を公平公正に調査した上で、不正受給額を確定し、厳正な処分を行いたい」としている。