「恵」が5億9000万円返還 不正請求 県や名古屋市などに 

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 サービス報酬等の不正請求などを行った障害者向けグループホーム(GH)運営会社「 めぐみ 」(東京)が、不正請求に加算金を含めた計約5億9000万円を県や名古屋市などに返還したことが各自治体への取材でわかった。同社は既に事業から撤退しており、施設の譲渡費用などを原資に充てたとみられる。

 県と名古屋市は昨年6月、障害福祉サービスの報酬を不正請求したなどとして、同社が運営する県内5か所のGHの事業者指定を取り消した。障害者総合支援法による最も重い処分で、厚生労働省は同社に対し、12都県のGH約100か所を運営できなくする「連座制」を適用。恵は今年3月、全国のGH90か所を含む250事業所を神戸市の介護・福祉事業会社のグループ会社に一括譲渡している。

 名古屋市障害者支援課によると、恵は2019年から5年間、勤務実態のない職員が働いていたように装うなどして給付費を不正請求。市は40%の加算金も含めた約1億2800万円の返還を求め、今年3月に入金された。中核市の岡崎市、豊橋市、豊田市、一宮市のほか、県が管轄する11市町分の約2億6000万円も返金されたという。

 自治体関係者によると、返還金には施設の譲渡費用などを充てているとみられる。返還額を明らかにしない自治体もあるが、指定取り消し時の概算で総額約5億9200万円に上る。

 県障害福祉課は「利用者が新しい施設で生活できているか、譲渡先の企業が運営できているかなどを引き続き注視していく」としている。

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