広陵甲子園辞退 SNS中傷招いた対応の甘さ
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「暴力」に対する学校側の認識の甘さと対応のまずさが、事態を悪化させたと言える。SNSの
全国高校野球選手権大会に出場していた広陵高(広島)が、初戦に勝利した後、出場を辞退した。1月に起きた部員間の暴力行為を巡り、SNSで中傷が相次いだことなどが理由だという。
暴力行為は、野球部の寮で即席麺を食べた当時の1年生が複数の上級生に殴られるなどしたという内容で、報告を受けた日本高校野球連盟(高野連)は3月、広陵を厳重注意処分とした。被害者の生徒は転校を余儀なくされた。
7月下旬以降、被害生徒の保護者を名乗る人物がSNSで、暴力行為には学校が認定した以上の部員が加わっていたなどと訴え、学校側への非難が殺到した。
SNS上の中傷はあったにせよ、学校側が問題を軽視し、初動対応を誤ったことが、出場辞退につながったのは明らかだろう。
いじめ防止対策推進法は、いじめで子供の生命や心身、財産に深刻な被害が生じた疑いがある場合を「重大事態」と位置づけ、調査組織の設置を義務づけている。
しかし、広陵は「いじめには該当しない」と判断し、県の担当部署にも報告しなかった。
高校野球は、あくまで学校の部活動である。甲子園の常連として知られる広陵に、行きすぎた「勝利至上主義」があり、教育機関として暴力に厳しく対処するという意識を欠いた面はなかったか。
これとは別に、元部員が監督や部員らから暴力を受けたと訴え、6月に第三者委員会が設置された問題も表面化した。閉ざされた寮生活の中で、暴力が
高野連の判断にも疑問が残る。被害者が転校せざるを得なかった暴力行為への処分は「厳重注意」が妥当なのか。被害者側の声も聞かず、広陵側の言い分だけで処分を決めていいのか。審査方法の見直しを検討する必要がある。
SNS上では、野球部の寮への爆破予告や無関係な生徒への中傷も起きている。選手らの顔写真や実名が真偽不明のまま「加害者」としてさらされ、「ネットリンチ」ともいえる状況になっている。
事実誤認や名誉