サイバー攻撃受けた大阪の病院、ウイルス侵入招いた複数の業者と10億円で和解
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2022年に大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)がサイバー攻撃を受け、電子カルテシステムに障害が発生した問題で、コンピューターウイルスの侵入経路となった給食事業者やシステム開発業者など複数の民間事業者が、センターを運営する大阪府立病院機構に計10億円の解決金を支払う内容で和解したことが機構関係者への取材でわかった。機構は、患者の受け入れを制限したことで十数億円の逸失利益が生じたと主張し、和解交渉を続けていた。
センターのシステム障害は同年10月に発生。データを復旧するために金銭を要求する「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスの感染が原因で、患者の電子カルテが閲覧不能になった。これにより、センターは外来や救急患者の受け入れを制限。完全復旧に2か月以上を要した。
専門家らでつくる調査委員会が23年にまとめた報告書によると、ウイルスは給食事業者のシステムから侵入。電子カルテシステムのサーバーにウイルス対策ソフトが設定されていないなど内部セキュリティーが
この障害の影響で、22年11月のセンターの新たな入院患者数は前年同月比33%、初診患者数は同18%に激減。逸失利益は十数億円規模とみられ、調査・復旧にも数億円を要したことから、機構が、民間事業者側の代理人と被害の負担について協議していた。