死亡した元兵庫県議の妻、名誉毀損容疑で立花孝志氏を告訴「誹謗中傷やまない」…県警が受理・捜査へ

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 兵庫県知事の内部告発問題を調査する県議会百条委員会の元委員で、1月に死亡した竹内英明前県議(当時50歳)の妻(50)が8日、神戸市内で記者会見を開き、SNSなどで竹内氏を中傷したとして、政治団体「NHK党」の立花孝志党首(57)を名誉 毀損きそん 容疑で県警に告訴し、受理されたと明らかにした。県警は今後、関係者らから事情を聴くなどして慎重に捜査を進める。

立花孝志氏
立花孝志氏

 昨年10~11月の県知事選の期間中、竹内氏が百条委で斎藤元彦知事の疑惑を追及する様子がSNS上で拡散し、中傷する投稿が相次いだ。竹内氏は投開票日の翌日、「一身上の都合」を理由に辞職。今年1月18日に自宅で亡くなった。

 告訴状では、立花氏は同19日、ユーチューブの動画で「(竹内氏は)あした逮捕される予定だった」と発言するなどし、存命中の昨年12月には「警察の取り調べを受けているのは間違いない」と街頭演説して、竹内氏を中傷したとしている。

 竹内氏の妻は記者会見で「故人に対する 誹謗ひぼう 中傷は今もやまない。夫の尊厳を守りたい。そう思い、声を上げることを決めた」との声明文を読み上げた。

 竹内氏の妻が、8日の会見で発表した声明文の全文は以下の通り。

 私の夫、竹内英明は、昨年11月18日に兵庫県議会議員の職を辞し、今年1月18日に自ら命を絶ちました。

 昨年の兵庫県知事選挙において、夫は立花氏から「黒幕」と名指しされ、そこから夫の運命が変わりました。

 その発信がなされた途端、ありとあらゆる方向から、夫を非難する言葉とともに、人格を否定し、夫を一方的に責め立てる攻撃が矢のように降り注ぎました。SNSには夫の顔写真が侮蔑の言葉とともにさらされ、立花氏の発信で「黒幕」とされた夫は、人々の憎悪の対象に、悪意を向ける標的とされました。

 私たちは、どこからともなく浴びせられる攻撃に日夜さらされ、何が起こるかわからない不安に絶えず さいな まれ続けました。いつ終わりが来るのか、いつまで耐えればいいのかもわからず、絶望の中で、ただ息を殺して時が過ぎるのを待つことしかできませんでした。

 夫は疲弊し、家族を巻き込んでしまったことで、もうこの仕事を続けることはできないと判断し、議員を辞職しました。自分が政治家として社会にできることは、もうない。暴力に、攻撃に屈した自分は「負けた」、「逃げた」と嘆き続けていました。生涯をかけて打ち込んできた議員の仕事、その職責から逃げた自らを責め、自己を否定し、もがき苦しんでいた姿が、今も脳裏に焼き付いて離れません。

 夫は自ら望んで命を絶ったのではありません。間違いなく、この兵庫県政の混乱の中で追い詰められ、孤立し、社会に絶望してこの世を去りました。

 1月18日に夫が命を絶ってから、半年が過ぎましたが、恐ろしいことに、一度出た言説はいつまでもしぶとく、今も残り続けています。

 夫に関する言説について検証がなされ、それらが事実でないと明らかにされても、「すべての可能性が否定されたわけではない」、「デマと捉えられるような言動をしていたからだ」、「悪いことをしていたんだろう」、「自業自得だ」「 誹謗ひぼう 中傷で死ぬはずがない」、そんな言葉で夫の死は語られます。

 反論することのできない死者を 愚弄ぐろう し、 さげす み、死してなお辱めを与える。悲しみの底に沈みもがき苦しむ私たち遺族にとって、このような堪え難いことがあるでしょうか。

 故人に対する誹謗中傷は今現在も みません。そしてそれは、声を上げないことには止むことはありません。声を上げることは、誰にでもできるたやすいことではなく、表に出ることで再び批判にさらされる、攻撃されることを恐れる気持ちが、今も私の頭を支配しています。何を言われようと耳をふさぎ、目をそらして生きていけばいいのかもしれない。しかし、それは夫が懸命に生きたことから目をそらし、蓋をすることです。夫の死を悼み、悲しむこともできず、ともに歩んできた日々を懐かしく思い返すこともできず、すべてに蓋をして生きていくことを強いられる。遺族にとってそんなむごい話があるでしょうか。

 私は夫の尊厳を守りたい。それは自分の尊厳を守ることでもあるからです。夫は死んでも、遺族の心の中に生き続けています。そう思い、声を上げることを決めました。

 どれだけ望んでも、夫が戻ることはありません。人の命はかけがえのないものであり、たった一つの命であっても、軽んじられることはあってはならない、これは明白なことです。

 なぜ、夫はあのような最期を迎えねばならなかったのか。生きる力を失い、苦しみの中にある人間をさらに傷つけ、 蹂躙じゅうりん する。声を上げられずに苦しむ人間を、さらに痛めつけ、追いやる行為が許されていいはずがありません。

 デマで人を おとし め、死者に むち 打つ行為が平然と、公然と行われる。民主主義の根幹をなす選挙が、死者の 冒涜ぼうとく に利用されることの異常さ、悪質さを私たちはもっと深刻に受け止めなければならないと思います。

 最後に、無力であった私が、弁護士の先生方をはじめ多くの方々から手を差し伸べていただき、こうして声を上げることができました。生前にご縁のあるなしにかかわらず、世の多くの方々が夫の死を しの び、思いを せてくださいましたこと、この場をお借りして感謝申し上げます。

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