原爆投下2日後に米軍分析「広島はもはや存在しない」「日本の軍事指導者により10万人犠牲」
完了しました
【ワシントン=淵上隆悠】米ジョージ・ワシントン大学の「国家安全保障公文書館(NSA)」は5日、米国による広島への原爆投下から6日で80年となるのに合わせ、機密を解除された複数の関連公文書を新たに公開した。原爆投下から2日後に米軍関係者が初期分析としてまとめた文書には「広島はもはや存在しない」と記し、壊滅的な打撃を与えたと評価していた。
「ヒロシマ・ミッション」と題した1945年8月8日付のこの文書は、広島に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」が飛び立った太平洋・テニアン島に駐留していた米第20航空軍の関係者が作成した。爆発により「市街地は建物のがれきすら残っていない」と報告する一方、放射線の影響については触れていなかった。
文書は「敗戦するとわかっていながら戦争を続けようとした日本の軍事指導者により、少なくとも10万人が不必要に犠牲になった」と人命被害の大きさを指摘した。広島市は、約35万人の市民、軍人らのうち、45年末までに約14万人が亡くなったと推計している。
原爆の開発を主導した物理学者ロバート・オッペンハイマーが、長崎に原爆が投下された8月9日に通信社に対して送った声明で原爆使用は「戦争の早期終結につながり、世界にとって有益だ」と主張した内容も含まれている。オッペンハイマーは兵器の技術革新はさらに進むと予測し、「世界の人々は、戦争を回避することがいかに喫緊の課題であるかを認識するだろう」と述べた。