経営悪化負債総額15億円 北上市「にぎわい」象徴再生図る…「ツインモール」運営北上都心開発
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北上市中心部に位置し、百貨店などが入る再開発ビル「ツインモールプラザ」を運営する市の第3セクター「北上都心開発」の経営が悪化し、負債総額が約15億円に上ることがわかった。16日の市議会全員協議会で市側が明らかにした。市はにぎわい創出の象徴であるプラザの土地や建物を買い取り、不動産会社などに運営を委ねて再生を図る考えだ。(長嶋徳哉)
■6期連続の赤字
都心開発は、市中心部の再開発を目的に1999年4月に設立。プラザは開店当初好調だったが、長引くデフレやコロナ禍などの影響で経営が悪化した。
転換期は2023年8月。「さくら野百貨店」(本社・青森市)が、プラザに入居する北上店の経営から撤退し、都心開発へ同店の全株式を売却した。都心開発は営業部門を担う新会社を設立し、運営を続けたが、入居する店の撤退は止まらず、フロアに空きスペースが増加。半導体機器メーカーに貸し出すなどしたが、24年度まで6期連続で営業赤字に陥った。
市の説明によると、来年以降、プラザに入居する核テナントが移転する見通しで、プラザ全体でさらに約1億円の減収が見込まれるという。金融機関から新たな融資を断られ債務返済猶予も要望より短くなるなど、経営破綻が現実味を帯びたため、市は3月、都心開発に経営から撤退するよう要請した。
■9億円超で買い取り
市は今後、都心開発と地元の地権者が所有するプラザの建物や土地を約9億4000万円で買い取る。事業継続などを条件に、コンサルタント会社や不動産会社などを公募してプラザをリースし、経営を委ねる「マスターリース」という手法を取る考えだ。市は28日の臨時議会で、リース先を公募する調査費約4500万円を予算要求する。
16日に開かれた市議会全員協議会では市議から質問が相次いだ。「市に責任はないのか」という問いに、高橋剛・商工部長は「都心開発の経営に積極的に関われなかった」と反省を口にした。
「(買い取りなどの判断が)拙速すぎないか」という質問に対しては、八重樫浩文市長が「(負債などの)喫緊の課題をどうするかが先決」と回答。協議会は約3時間に及んだ。
■どうなる大学構想
市はプラザの隣接地で、約120億円かかる市立大学の設置を目指している。今回の事態を受け、ある市議は「プラザはにぎわい創出の象徴。解決せずに大学構想を議論している場合じゃない」と語気を強める。
市が示した対策を巡り、ある市議会関係者は「ただの延命にすぎない。5年後、10年後にまた同じことが起きる」と危機感を募らせる。市関係者は「都心開発が負債を減らすには資産売却しかない」と漏らす。市は経営改善の一環として、独自にプラザへの公共機関の誘致も進めているという。
協議会後、八重樫市長は「商業機能や公共要素は市がある程度責任をもって維持しないといけない。こうなったのは残念だが、市民の皆様にはご理解をいただきたい」と話した。