ハーバード大が少数派配慮掲げた複数サイトを削除政権の圧力が影響か…「使命を再定義した」
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【ニューヨーク=金子靖志】米CNNは10日、トランプ政権と対立するハーバード大が、少数派への配慮を掲げた「DEI(多様性、公平性、包括性)」関連の複数のサイトを予告なく削除したと報じた。DEI政策の撤廃を進める政権の圧力に、大学側が譲歩したとの見方も出ている。
CNNなどによると、削除されたのは、性的少数者(LGBTQ)や女性、人種的少数派の学生を支援してきた「女子学生センター」や「LGBTQ支援オフィス」などのサイトで、代わりに「学術文化・コミュニティオフィス」という新たなサイトが設置された。
大学側はサイトの変更理由について、「全ての学生が活躍できる環境づくりに向け、使命を再定義した」と説明する一方、トランプ政権との関連には言及していない。
政権は9日、ハーバード大が高等教育機関の認定基準を満たしているかどうかに疑義を唱え、認定を担当する委員会に通知するなど、圧力を更に強めていた。CNNは、同大によるサイトの削除について「政権の圧力により、名門大の多様性施策が崩壊している現状を浮き彫りにした」と指摘した。
政権は同大に対し、イスラエルへの抗議デモに参加した学生の処分やDEIプログラムの撤廃を求めてきた。政権の圧力は他の名門大にも向けられており、バージニア大では6月下旬、DEI推進を続けた学長が辞任に追い込まれた。
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