さあ高校野球、でも審判が足りない…高齢化・重い経済負担に災害が襲い石川県は2年で2割減

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 11日開幕の夏の高校野球石川県大会などで審判員を務める県野球協会審判部の会員が2年で約2割減っていることがわかった。協会から派遣される審判員はボランティアで、負担の大きさから減少傾向。その上、能登半島地震や奥能登豪雨の被災地では生活再建などで手いっぱいになり、審判員として活動できなくなるケースもあり、会員数減に拍車がかかっている。(宮崎乃亜)

地震後でボランティア減、避難で連絡取れない人も

説明を聞く審判員ら(6月8日、石川県立野球場で)
説明を聞く審判員ら(6月8日、石川県立野球場で)

 「どこに球が来るのか広い目線で判断して」。塁審の見本を見せながら、指導役の審判員が話す。判断のアドバイスに耳を傾けるのは、今大会で審判を務めることになった35人だ。開幕を控えた6月8日、金沢市の県立野球場で、審判を務める予定の参加者らがジャッジの方法を確認した。

 今年は約330人の会員から選ばれた24~56歳の男性41人が審判員を務める。ただ、能登半島地震前の会員数は約400人。わずか2年で2割近く減った。

 同協会で審判部長を務めて16年目の毛利浩太郎さん(65)は、「仕方がないことだが、地震後はボランティアで出てくれる人も減った」と顔を曇らせた。特に奥能登地域の会員減少が加速しており、中には避難をして連絡が取れない人もいるという。

 同協会は毎年、金沢、加賀、能登の3地区で審判講習会を開催していたが、地震と奥能登豪雨の被災地である能登地区では今年も開催が見送られた。人が集まらず、地震などの影響でまだ会場の使用ができないからだ。能登の審判員の中には、家が流されて、スパイクや膝当てなど審判に必要な道具を失った人もいる。

「10万円」道具も自己負担、でも「野球界のために増えて」

 地震以前からも審判員の負担は大きく、高齢化などから全国的にも人手不足の傾向があった。経済面でも負担がある。本県では審判員はボランティアで、支払われるのは当日の交通費のみ。一方、膝当てなど審判に必要な道具は基本的に自分でそろえる必要があり、総額10万円以上にもなる。平日も試合が行われ、生業を休むのも負担という。

 こうした理由から県内でも15年前に約600人いた会員は半数近くに減った。20歳代の審判員は数が少ないという。3年前にライセンスを取得し、昨夏の大会で5試合をさばいた穴水町出身の理学療法士の谷内大輔さん(26)は「穴水支部で20歳代の審判員は自分1人。高校球児に対して誠意を持ってさばきたい」と話す。

 同協会では、審判員のなり手不足の改善と「若返り」を図ろうと、卒業を控えた高校球児に対して審判員の案内の配布などを行っている。県高等学校野球連盟の田口徹理事長(46)は「審判がいないと試合ができない。野球界のためにも増えていってほしい」と語った。

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