中2死亡事故で無罪確定の男性、国に賠償求め提訴…「必要性ないのに逮捕」「強引に起訴」と主張
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札幌市で2022年7月に起きた中学2年の死亡事故で自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)に問われ、24年2月に札幌地裁の無罪判決が確定した男性(74)が3日、北海道警や検察庁のずさんな捜査で多大な不利益を被ったとして、道に110万円、国に220万円の損害賠償を求める訴訟を同地裁に起こした。
事故は22年7月7日未明、同市中央区の幹線道路で発生。女子生徒が青信号を直進していた男性の乗用車の前に飛び出してはねられ、肺挫傷などで死亡した。地裁の確定判決では「女子生徒は自殺を図ったとみられ、被告(男性)が飛び出しを予想するのは困難だった」などと認定された。
男性側は訴状で「道警は事故直後、女子生徒が車の接近に合わせて飛び出す姿が現場付近の防犯カメラに映っていたことを確認していた」と指摘し、必要性がないのに男性を現行犯逮捕したとしている。また、釈放後に捜査を引き継いだ札幌区検についても、「検察官が過失を認める内容の供述調書を作成し、強引に略式起訴した」と主張した。
この間、男性に弁護人は付いておらず、22年12月に札幌簡裁から罰金20万円の略式命令を受けたことで正式裁判への移行を申請。1年余りの審理を経て無罪判決に至った。男性の代理人弁護士は「安易に逮捕した道警と強引な起訴を撤回しなかった検察庁、それぞれの姿勢をただす訴訟にしたい」と話している。