九州発 西部本社編集局

松浦貯蓄共済協同組合「特別出資金」に1000万円出資して返金は50万円…「出資者の会」が刑事告訴検討

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 複数の組合関係者によると、貸付金の回収が進まず、事業資金を確保するために理事らが出資したのが、特別出資金の発端。その後も債権回収は進まず、一般の組合員や非組合員からも特別出資金を募り始めた。

 ある組合関係者は取材に対し、「定期預金」と記載された確約書などを発行したことを認め、「一時的に預かるという趣旨だった」と説明。特別出資金を集めたことは、田郷信男理事長へ伝えていたという。

 これに対し、田郷理事長は「私は全然知らなかった」と否定。関係者の間で主張が食い違っている。

「詐欺罪などにあたる可能性も」

 組合は、特別出資金に加え、定款に基づく「出資金」の払い戻しにも応じていない。市の調査では、組合員205人が1億7800万円を出資していた。

 特別出資金や出資金を支払った組合員と非組合員は昨年5月、「出資者の会」を結成。会員は現在、約80人で、総額2億円ほどの払い戻しを組合に求めている。同会は刑事告訴や集団訴訟を検討しており、警察などに相談している。

 出資法は、金融機関などを除き、不特定多数の人からの預金、貯金などの受け入れを禁じている。同法に詳しい大阪大の佐久間修名誉教授(経済刑法)は「借入金や出資金という名目で集めたと主張しても、預貯金のように元本保証をうたっている場合は、出資法違反に問われる恐れがある」と指摘する。

 神戸大の冨川雅満教授(刑法)は「一般的に金融商品の販売者は、商品の特性やリスクを丁寧に消費者に説明する義務がある。仮に、実態は出資金なのに預貯金と誤信させるような説明をしたり、経営が行き詰まって出資金を返金できる見通しがない状況にもかかわらず出資を募ったりした場合は、詐欺罪などにあたる可能性がある」と話している。

市議会は7年前に問題視

 市議会からは、市の対応を批判する声も出ている。

 約7年前の2018年3月、市議会産業経済委員会では、市議が「組合は新規の貸し付け業務は停止し、不良債権を回収しているだけ」と指摘した。

 だが、市は当時、検査や行政指導などの対応を取らなかった。組合から20年度の決算関係書類が提出されなかったため、市は21年7月以降、行政指導や立ち入り検査を実施。23年12月に業務改善命令を出した。

 今年3月の市議会定例会では、組合の問題について「行政責任をどう考えているか」という質問が出たが、友田吉泰市長は「中協法に基づく解散命令も視野に入れ、取り組んでいくことが所管行政庁としての責任」と述べるにとどまった。

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