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大手小町

学生服は時代の映し鏡…80年代「ツッパリ」の着こなしに込められた意味は?

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学生服の着こなし方に焦点を当てた展示会「ニッポン制服クロニクル 昭和100年、着こなしの変遷と、これからの学生服」が、東京・根津の弥生美術館で開かれています。

2018年の「セーラー服と女学生」展、2019年の「ニッポン制服百年史」展に続いて、イラストレーターで制服研究者の森伸之さんが監修した学生服の展示会の第3弾です。日本の学生服の種類には、詰め襟、ブレザー、セーラー服、ワンピース、ジャンパースカートなどがありますが、実はこの100年間でそれほど大きな変化はないのだとか。変化があったのは、その着こなし方です。本展では、1970年代から現代までの学生服を紹介して、その着こなしに込められた意味を探るとともに、ジェンダーレス化が進む学生服の最新事情も紹介しています。

変形制服を身にまとったツッパリ

「ツッパリ&スケバン」スタイルの学生服(菅公学生服提供)
「ツッパリ&スケバン」スタイルの学生服(菅公学生服提供)

スカート丈やズボン幅、リボンの結び方などの微妙な違いによって、「個性」や「所属するグループ」を示してきた学生服は、「ビジュアル・コミュニケーションのツール」と言えます。

本展では、「ツッパリ&スケバン」スタイル(1970~80年代)と「コギャル&腰パン」スタイル(1990年~2000年初頭)という学生服の着こなしの2大ムーブメントを正面から取り上げ、学生服が時代を映す鏡であることを伝えています。

1980年代前半、リーゼントにサングラス、黒の革ジャンに白いズボンをまとった4人組バンド「横浜 銀蝿(ぎんばえ) 」がテレビ界を席巻しました。

〽今日も元気にドカンをきめたらヨーラン背負ってリーゼント(中略) 可愛(かわい) いあの娘はくるくるパーマに長めのスカートひきずって……

彼らの大ヒット曲「ツッパリHigh School Rock’n Roll(登校編)」の一節です。この歌詞は、まさに「ツッパリ&スケバン」の典型と言えるもの。ドカン(幅広の学生ズボン)、ヨーラン(ひざ丈まである学ラン)は、当時の男子学生の間で大流行。女子学生たちも、足首近くまであるセーラー服のスカートをひきずるようにして歩いていました。こうした制服は「変形学生服」と称され、本展でもひと際来場者の目を引いています。

また、80年に登場した猫のキャラクター「なめ猫」の運転免許証風ブロマイドや文房具などのグッズも展示されています。なめ猫は、不良学生や暴走族に (ふん) した猫のキャラで、82年までに関連グッズを570億円以上も売り上げるなど社会現象になりました。横浜銀蝿やなめ猫のブームに引っ張られるように、全国の中高生たちがこぞって「ツッパリ&スケバン」スタイルを身にまとったのです。

少子化が深刻な現代とは異なり、70~80年代はまだ子どもの数が多かった時代。学校側が一元的に生徒を従わせる管理教育が行われ、教師による厳しい服装検査や体罰などもありました。同美術館の内田静枝学芸員は「変形学生服は、管理教育に反抗し、仲間内でのステータスを上げるためのシンボルだった」と解説します。

コギャル風に制服を着こなした女子高生

腰パンスタイル(左)とコギャル風の着こなし(菅公学生服提供)
腰パンスタイル(左)とコギャル風の着こなし(菅公学生服提供)

90年代に入って、時代のファッションを 牽引(けんいん) したのは、歌手・安室奈美恵さんでした。彼女をモデルにした「アムラー」が大発生。日焼けした肌に白みがかったリップ、細い眉毛に茶髪といった安室スタイルをマネする女子中高生が続出し、「コギャル」と呼ばれるようになりました。

コギャルのファッションスタイルは、学生服にも反映されました。スカートはどんどん短くなり、だぶだぶと緩ませた「ルーズソックス」を着用。シャツの胸元のボタンを開け、リボンやネクタイは緩々にして付けました。一方、男子学生は、ズボンをずり下げて「腰パン」にし、ブリーフまで見せて着崩すスタイルが流行しました。本展では、「コギャル&腰パン」の実際のスタイルを紹介しているほか、監修者の森さんのイラストなども展示されています。

「コギャル&腰パン」の起源は、80年代中頃にまで遡れるそう。この頃、新アイテムの「チェックのスカートとブレザー制服」が登場し、「ツッパリ&スケバン」が愛用していた変形学生服が消滅したのです。女子にそろえる形で男子の制服もブレザーのスーツスタイルに変わっていきました。この新たなスタイルを着崩したのが、「コギャル&腰パン」スタイルだったというわけです。

変形学生服との違いについて、内田学芸員はこう分析します。「(コギャルらは)あくまで学校指定の制服を着用していました。彼女らが注力していたのは『着こなし方』であり、ほんのわずかな違いに自己主張や仲間意識を込めていたのです」

当たり前になってきたジェンダーレス制服

ジェンダーレス制服(菅公学生服提供)
ジェンダーレス制服(菅公学生服提供)

学生服は現在、「令和のモデルチェンジ・ブーム」の真っ最中。都市部の公立中学校の約半数が「ジェンダーレス制服」を採用しているほか、性自認や宗教、障がいの有無など多様な在り方に対応した学生服が続々と登場しています。

本展で目を引くのが、ファッション雑誌「FUDGE」(三栄書房)がプロデュースした品川学藝高校(東京都品川区)の制服です。

女子生徒は、えんじ色のタータンチェックが施されたスラックス。もちろん、スカートをはきたい生徒はスカートを選べます。

ファッション雑誌「FUDGE」がプロデュースした品川学藝高校の制服
ファッション雑誌「FUDGE」がプロデュースした品川学藝高校の制服

同校では2023年から、男子の夏服にセーラー服が導入されました。元々男性水兵が着ていた服だけに、「FUDGE」担当者には「男子こそセーラー服がかっこいいに違いない」という思いがあったといいます。一般的なワイシャツもオプションで着られますが、セーラー服を着用する生徒とワイシャツを着用する生徒の数はほぼ半々で、わずかにセーラー服が多いそう。女子のスラックス、男子のセーラー服、いずれもお 洒落(しゃれ) で洗練されたデザインなので、抵抗感なく着用できそうです。

このほか、近年の猛暑傾向を反映して、ポロシャツ制服やハーフパンツ制服、パーカー制服など、様々な種類の制服が紹介されています。今後も時代の変遷とともに制服が変わっていくことをうかがわせます。本展は9月14日まで。(読売新聞メディア局 市原尚士)

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6810767 0 大手小町 2025/07/02 11:00:00 2025/07/02 11:00:00 /media/2025/06/20250625-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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