全国43病院の医師132人に現金1227万円提供、HOYA子会社を業界団体が厳重警告
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医療機器メーカー「HOYAテクノサージカル」(東京都新宿区)が2018~23年に全国の43病院の医師ら132人に対し、自社製品を使用した見返りに現金計約1227万円を提供していたことが、業界団体「医療機器業公正取引協議会」(中央区)の調査でわかった。公取協は30日、悪質な規約違反に当たるとして、同社に厳重警告した。
同社を巡っては、東京労災病院(大田区)の当時の整形外科副部長に自社製品を優先的に使う見返りに現金計約70万円を渡したとして、昨年4~5月に元営業部長と元社員の2人が警視庁に贈賄容疑で逮捕され、同8月に有罪判決を受けた。
公取協は事件を受け、同社への調査を実施。自社製品を使用するたびに販売価格に応じたポイントを付与し、私的な飲食代などの領収書と交換する形で、現金を渡していたと認定した。
ポイントによる現金提供は、同病院など2病院の医師ら2人に計45件(計322万円)、その他の現金提供や飲食接待は、公立の11病院の21人に計49件(452万円)、民間の30病院の109人に計67件(453万円)確認された。
公取協は消費者庁と公正取引委員会が認定した公正競争規約を運用し、医療機器メーカーによる医師らへの資金提供などの違反行為を調査している。
同社は東証プライム上場の光学機器大手「HOYA」の100%子会社で、医療用のセラミックス製品などを販売している。