爆撃したイラン核施設、CIA長官「再建に数年」…イラン政府報道官も「深刻な損傷受けた」
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【ワシントン=淵上隆悠、テヘラン=吉形祐司】米中央情報局(CIA)のジョン・ラトクリフ長官は25日の声明で、米軍が22日未明に行ったイランの核施設に対する攻撃について、「複数の主要な施設が破壊され、再建には数年を要する」との認識を示した。イラン政府報道官も26日、核施設に「深刻な損傷を受けた」と本紙に認めた。
ラトクリフ氏は「新たな機密情報」などを分析した結果として、「CIAは、イランの核開発が深刻な打撃を受けたことを確認した」と説明した。
米軍制服組トップのダン・ケイン統合参謀本部議長は26日の記者会見で、米軍が攻撃したイラン中部のフォルドゥにある核施設の攻撃前後の写真を示し、地下貫通型の大型爆弾「バンカーバスター」が「設計通りに機能し、爆発した」と説明した。ヘグセス国防長官も同じ記者会見で「歴史的な攻撃」と述べ、成果を強調した。核施設に備蓄されていた濃縮ウランが事前に運び出されて破壊を免れた可能性を問われると、「私が調べた限り、移動されたという情報はない」と否定した。
米メディアによると、攻撃の成果を巡っては、国防総省傘下の情報機関「国防情報局(DIA)」が、被害は限定的だった可能性があるとの初期評価をまとめていた。トランプ米大統領は25日、オランダ・ハーグでの記者会見で、DIAの分析は攻撃直後の「推測」にすぎないと反論し、「核施設は完全に破壊された」と主張していた。
これに関し、26日に本紙と会見したイランのファテメ・モハジェラニ政府報道官は、ウラン濃縮活動を継続できるかどうかについては「専門家が答えるべきことだ」とするにとどめた。イスラエルとの停戦については「戦争を始めたのは我々ではなく相手だ。相手が攻撃停止を決めたから、我々も攻撃をやめた」と述べ、停戦維持はイスラエルの出方次第だとの考えを示した。