生成AIの学習に書籍を無断使用、「著作権侵害に当たらず」…米連邦地裁「合法」と判断

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 【ニューヨーク=小林泰裕】自身の書籍を無断で生成AI(人工知能)の学習に利用されたとして、米作家3人が米新興AI企業アンソロピックを訴えた訴訟で、米カリフォルニア州の連邦地裁は23日、生成AIの学習に無断で書籍を使用したことは著作権侵害に当たらないとの判決を下した。米国では同様の訴訟が相次いでおり、今後の訴訟に影響を与える可能性がある。

 判決によると、アンソロピックは購入した書籍のほか、インターネット上の海賊版サイトから700万冊以上の書籍を無料でダウンロードし、無断で自社の生成AIに学習させていた。

 米著作権法には研究や教育などの目的で著作物を利用する場合、著作権者の許可なく使用できる「フェアユース(公正利用)」という例外規定があり、AI学習が該当するかが争点だった。判決では、合法的に購入した書籍を無断で学習させることは、「フェアユースに該当する」として、合法との判断を示した。

 一方、海賊版の書籍を学習させることは該当しないと指摘。今後の審理によっては、賠償額が数十億ドル規模に達する可能性もある。

 米メディアによると、生成AIを巡る著作権訴訟で米国の裁判所が詳細な判断を示したのは初という。

 米国では、企業や報道機関などが生成AI企業に自社の著作物を無断で利用されたとして訴訟が相次いでいる。著作権に詳しい福井健策弁護士は「学習に使った著作物と類似した文章を生成しないのであれば、生成AIの学習をフェアユースと認めた点が今回の判決の特徴だ」と指摘する。

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