イスラエル軍、ハマスの武器密輸ルートとみたエジプトとの境界地帯掌握…「地下トンネル20本発見」
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【エルサレム=作田総輝】イスラエル軍は29日、パレスチナ自治区ガザとエジプトとの境界地帯を掌握したと発表した。同軍はイスラム主義組織ハマスが武器の密輸ルートとして利用していたとみており、これまでにエジプト側とつながる地下トンネル約20本を発見したと明らかにした。
イスラエル側はエジプトと接するガザ最南部ラファを「ハマス最後の拠点」とみている。境界地帯の掌握により、ハマスに圧力をかける狙いがあるとみられる。軍報道官は29日、境界地帯について「ハマスが定期的に武器を密輸する『生命線』として機能していた」と説明。ロケット弾の発射台も設置されていたという。
境界地帯は、地中海からケレム・シャローム検問所までの全長約14キロ・メートル、幅約100メートルで「フィラデルフィア回廊」と呼ばれる。軍はラファに部隊を派遣し、軍事作戦を続けている。ただ、AP通信によると、エジプト側は回廊がトンネルでエジプト側とつながっているとのイスラエル側の発表を否定したという。
境界にあるラファ検問所付近では今月27日、両国軍の銃撃戦でエジプト軍兵士1人が死亡しており、緊張が高まる可能性がある。エジプトはイスラエル軍の攻撃でラファから避難民が流れ込む事態を警戒している。
一方、ロイター通信によると、イスラエルのツァヒ・ハネグビ国家安全保障顧問は29日、ガザでの軍事作戦について「ハマスとの戦闘は少なくとも今後7か月は続く」と地元メディアに語り、年内は継続するとの見通しを示した。