イスラエル最先端のミサイル迎撃システム、崩れて商都で73人死傷…住民「生き残っただけ幸運」
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【テルアビブ=福島利之】イランが13日夜から14日朝にかけて行ったイスラエルへの報復攻撃により、商都テルアビブ地域では3人が死亡、70人以上が負傷するなど、同地域は1948年の建国以来、最大規模となる損害を被った。鉄壁を誇るミサイル防衛網による「安全神話」が崩れた衝撃は大きく、がれきの積み上がる現場では、途方に暮れる住民の姿が目立った。
がれきや割れたガラス、まるで大地震の後
テルアビブ南郊リション・レツィヨンの庭付き邸宅が並ぶ一角では14日、イランからのミサイルの直撃を受け、壁が崩れ、屋根が飛ばされた家が数十軒に上っていた。付近の道路には、がれきや割れたガラスが飛び散り、まるで大地震の後のようだった。
銀行員アレックス・ストルボルさん(60)は14日午前5時頃、自宅の地下にある防空
一命を取り留めたストルボルさんは「妻とともに生き残っただけ幸運だ」と語った。報復攻撃の脅威にさらされつつも、イスラエルのイランへの攻撃については「今、イランを攻撃しないと核兵器も持つことになる」と一定の理解を示した。
ミサイル直撃の家は崩壊、住民死亡
イスラエルは、世界最先端のミサイル迎撃システムを持ち、敵の攻撃から国民を守ってきた。しかし、軍によると、イランから波状的に撃ち込まれた約200発のミサイルのうち、4分の1に当たる50発ほどを迎撃できなかった。テルアビブと周辺はハイテク産業の集積地だが、中心部の軍本部近くのビルもミサイルの攻撃を受けた。
テルアビブ東郊ラマトガンの住宅地では13日午後9時半頃、ミサイルが着弾した。直撃を受けた家は崩壊し、住民が死亡した。周辺の集合住宅や商店の窓ガラスはことごとく割れていた。
近所に住む会社員エリ・バハールさん(40)は、妻と2歳半、6か月の子どもとともに防空壕に入った直後に爆音を聞いた。子どもはしばらくの間、恐怖で泣きやまなかったという。「イスラエルが攻撃を続ける限り、報復される。今、イスラエルに必要なのは、平和と安全な生活だ」。バハールさんはこう訴え、強硬姿勢を取り続けるネタニヤフ政権を批判した。