「カープ坊や」夢を届けて50年、赤ヘル生みの親の提案がルーツ…ファン「広島のシンボルであり続けて」

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 プロ野球・広島東洋カープのペットマーク「カープ坊や」が21日に誕生50周年を迎える。くりっとした目でバットを構える愛らしい坊やの姿は、チームのシンボルとして愛され続けてきた。球団は、記念グッズを作製するなどして節目の年を盛り上げている。(広島総局 柴山倫太朗)

 誕生のきっかけは、1975年に監督に就任したジョー・ルーツさんだった。「赤」を帽子とヘルメットに採用し、「赤ヘル」生みの親とも言われるルーツさんは、遠征時にバットなどの道具運搬用トラックの車体にシンボルマークを描こうと提案した。

 これを受け、球団がデザイン案を公募したところ、約20作品が集まった。カープにちなんだコイや、グラブをあしらったデザインが多かったが、「男の子に夢を与えられるマークに」と、男の子をデザインしたマークにすることを決めた。

 ファンへのお披露目は、75年6月21日。この日の試合では、先着5000人にマーク入りの紙製帽子が配られたという。ユニホームが変わるごとにマークのデザインも変更され、現在が7代目になる。

 球団は、50周年の節目に合わせ、「50」の数字の「0」の中に初代カープ坊やを描いたデザインを考案。そのデザインをあしらった記念グッズ7種類を2月に発売した。数量限定の弁当箱(300点)は発売当日、マグカップ(500点)も翌日に売り切れた。

 マツダスタジアム2階の「カープギャラリー」では、生誕50周年を記念する特別展示を6月30日まで開催中で、歴代のカープ坊や人形を見ることができる。広島県海田町の会社員男性(60)は「デザインが大きく変わらないからこそ親しみやすさを感じる。街は進化していくが、この先の50年もカープ坊やは、変わらない広島のシンボルであり続けてほしい」と話した。

◆ペットマーク= スポーツチームのシンボルマーク。プロ野球では各球団にあり、読売ジャイアンツのようにローマ字で球団名をあしらったデザインや、阪神タイガースのように動物をモチーフとしたデザインが多い。

モデルは当時3歳だった男の子

 「カープ坊や」には、モデルとされる男性がいる。

「カープ坊や」のモデルになった有馬さん。今も変わらずカープファンだ(広島市南区のマツダスタジアムで)=東直哉撮影
「カープ坊や」のモデルになった有馬さん。今も変わらずカープファンだ(広島市南区のマツダスタジアムで)=東直哉撮影

 広島市佐伯区の会社員有馬和哉さん(55)。有馬さんの父は、旅行会社でカープ観戦ツアーの企画を担当しており、球団関係者との打ち合わせで毎週のように旧広島市民球場に通っていた。

 幼かった有馬さんもよく連れられて球場に行き、「鉄人」の愛称で知られた衣笠祥雄選手らにベンチやグラウンドで遊んでもらったという。「今考えると、夢のようなこと。カープというアットホームな球団だからこそ、受け入れてくれた」と懐かしむ。

オーナーの目に留まったとされる写真=有馬和哉さん提供
オーナーの目に留まったとされる写真=有馬和哉さん提供

 写真が趣味だった父は、そんな有馬さんの姿を写真に収めていた。その中に、カープのユニホームを着て、やや前かがみにバットを構える3歳の有馬さんを写した1枚があった。1973年の監督だった別当薫さんと一緒に写ったその写真が、当時の松田耕平オーナーの目に留まった。

 ある日、いつものように選手に遊んでもらっていると、球場内の一室に呼ばれた。「これは君をデザインしたんだよ」。松田オーナーから声をかけられ、カープ坊やが描かれたシールを渡された。その時の驚きと喜びは今も忘れていない。

 社会人になった時、新入社員の歓迎懇親会でカープ坊やのモデルであると明かし、応援歌「それ行けカープ」を熱唱した。会場は大盛り上がりで、上司や同期との距離を一気に縮められたという。カープ坊やがきっかけでできた友人もたくさんいる。「カープ坊やは本当に多くの人との出会いや仲良くなる機会を与えてくれた」と感謝する。

 2人の娘が学生時代にマツダスタジアムでアルバイトをするなどカープとの縁は続いている。「私はもう坊やではないけど、今の子供たちが何か夢を持って進んでくれたら、それ以上のことはないですね」

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