胃がんと誤診し全摘、高裁が1640万円に増額し賠償命令…病理医だけでなく熊本市医師会などの過失も認定
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熊本市の女性(74)が胃がんと誤診され、手術で胃を全摘されたとして、熊本市医師会などに対し、約3460万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が11日、福岡高裁であった。松田典浩裁判長は1審・熊本地裁判決を変更し、同医師会などの過失を認めた上で、約1640万円の賠償を命じた。
判決では、女性は2015年、別の病院で胃がんと診断され、同医師会が運営する熊本地域医療センターで手術したが、その後に胃がんではなく、胃潰瘍だったと判明。1審は、最初に受診した病院から依頼を受け、検体を検査した病理医のみに過失があるとし、約1250万円の賠償を命じていた。
高裁判決は、病理医の診断書について「根拠が不十分で胃がんではないことが予見できた」と指摘。病理医だけでなく、胃がんと診断した病院を運営する医療法人と同医師会の注意義務違反も認め、連帯して賠償するよう命じた。
同医師会は「全摘手術は必要な医療行為で、納得できない」とコメントしている。