「師匠失格」元横綱白鵬、北青鵬の暴力1年以上…部屋の力士「反省見られず復帰受け入れられない」

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 身長2メートル04の恵まれた体で将来を期待されていた大相撲の幕内北青鵬(22)が23日、暴力行為の責任を取って引退に追い込まれた。現役時代に歴代最多の優勝45度を誇った宮城野親方(38)(元横綱白鵬)も師匠としての資質を問われて厳罰が科せられ、一からの出直しが求められた。

北青鵬
北青鵬

 日本相撲協会の理事会で処分が決まり、2人はそろって東京都墨田区の宮城野部屋前で深々と頭を下げた。2階級降格と報酬減額の懲戒処分を受けた宮城野親方は「北青鵬が暴力を振るい、(被害者の)弟子を守ることができなかった、責任を受け止めています。申し訳ない気持ち」などと謝罪。引退届が受理された北青鵬も険しい表情のまま「本当に申し訳ございません。ファンの皆様の期待を裏切ってしまった」と話した。

 協会の調査によると、暴力行為は1年以上、日常的に続いていた。部屋の所属力士の多くは「反省の態度は見られず、必ず繰り返す。復帰は受け入れられない」と主張したという。協会のコンプライアンス委員会は「懲戒解雇処分も検討すべき事案」と断じた上で、22歳という年齢を考慮し、「引退勧告の懲戒処分が相当」と答申した。

両国国技館から宮城野部屋に戻った元横綱白鵬の宮城野親方
両国国技館から宮城野部屋に戻った元横綱白鵬の宮城野親方

 宮城野親方の責任も問われた。懲戒処分では3番目に重い「降格」となり、親方の階級では最下位となるいわゆる「平年寄」に。宮城野部屋も一時、伊勢ヶ浜一門の預かりとなる方針が決まり、師匠失格の 烙印らくいん が押された形だ。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「厳しい処分だが、彼が残した(現役時代の)足跡は大きい。それに負けないよう頑張ってほしい」と話した。

 モンゴル生まれで札幌市育ちの北青鵬は幼少期に巡業で現役当時の宮城野親方に誘われて力士を志した。2020年春場所で初土俵を踏んでスピード出世を果たし、昨年秋場所では優勝争いにも絡んだが、自らの不祥事で若くして相撲人生を断たれた。

 ◆ 平年寄 =親方衆の役職の中で理事長、理事以下、最下位の役職(定年後再雇用の参与を除く)を「年寄」といい、相撲界では「平社員」になぞらえて「平年寄」と通称される。

暴力問題への認識不足に厳罰

 宮城野親方が師匠としての資格を一時「剥奪(はくだつ)」される厳しい処分を通告された。

 理事会で厳しく指摘されたのは、宮城野親方が暴行の常態化を招いた点だ。相撲協会が暴力事案の根絶に向けた取り組みを進めている中、師匠はスピード出世した北青鵬の日常的な暴力を見過ごしてきたと指摘。宮城野部屋の内部では、被害を受けても北青鵬は不問に付されるとの認識が広まっていたという。

 ある部屋持ち親方は「すぐに報告していれば引退勧告(相当)までいかなかったのでは。報告しなかったから1年以上暴行が続いてしまった」と指摘する。力士にとって親代わりの存在でもある師匠の危機管理能力にも疑問符を投げかけ、有望株が角界を去る結果になった。損失は大きい。

 宮城野親方は現役時代にも土俵内外での品格が問題視され、協会に異例の「誓約書」を提出して年寄襲名が認められた経緯がある。宮城野部屋は近く伊勢ヶ浜一門が師匠代行を任命し、4月以降は当面部屋が預かりになる方針。しかし、再出発への道は険しい。昨年1月の断髪式の際には「一日でも早く横綱、大関を育てる」と意欲を語り、力士のスカウトには熱心だったが、暴力問題への認識不足が厳罰を招いた。(松田陽介)

過去の「部屋預かり」

 過去には2010年に師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)が暴力団幹部の維持員席での本場所観戦に関与したとして木瀬部屋が一時閉鎖され、同じ出羽海一門の北の湖部屋の預かりとなった例がある。他にも、師匠の急死などで同じ一門に預かりとなったケースもある。

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