ヤブガラシ 除去難しい厄介者成長期
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夏を迎えて一気に成長するのがツル性の植物で、ヤブガラシ(藪枯)が1メートルほどの長いツルを垂直に伸ばしているのを目の当たりにすると、驚かされます=写真=。
東南アジアや東アジアに分布し、日本では北海道の西南部から沖縄までの広い範囲で自生し、丈は2~3メートル。冬季には上部は枯れますが、地中に太く長いロープのような根が残る多年草です。
忍者のように他の樹木に登り、ツルの長さと絡む枝の太さによってツルが自在に変化するのが特徴です。細い枝の場合は何周りも巻きつき、太い枝ではツルの先をクリップ状に変化させて取りつきます。
ヤブガラシは葉に高濃度の有機化合物シュウ酸を含んでいるため、植物を識別する能力があるといわれ、他の植物と区別してヤブガラシ同士が絡むのが少ないという特性があります。そのため、葉を高密度に整然と敷き並べ、他の植物を覆い尽くして自身の光合成の効率を上げます。
他方、ガーデニングにとっては、ヤブガラシはとても厄介な存在です。茎を刈り取っても根は必ず残り、太く長い根を掘り出そうとしても、折れやすくて分裂し、多くの根を土中に拡散させる結果となり、一層繁茂してしまいます。
根を完全に除去したと思っても、わずかな根の残りがあれば、再び発芽して成長します。除草剤では、ヤブガラシだけではなく絡みつかれた草木も枯れるおそれがあります。
ただ、「藪枯し」ではあるものの、これに覆われて枯れた樹木を見たことがありません。開花した小さな花には多くの昆虫が蜜を求めて飛来し、豊かな自然となります。
しかし、放置して繁茂した状態は「貧乏