真央さんに憧れ五輪目標
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フィギュアスケート女子 松生理乃さん
フィギュアスケート女子の松生理乃選手(20)(中京大3年)を練習拠点の愛知県豊田市の中京大アイスアリーナに訪ねました。松生選手は2010年バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央さんに憧れてフィギュアを始め、昨季はフランスで行われたグランプリ(GP)ファイナルに進出するなど大きく飛躍。来年のミラノ・コルティナ五輪出場を目指しています。
昨季手応え
――そろそろ来季の準備が本格的に始まりますね。今、どんな気持ちですか。
すごく大事なシーズンになるので、オフも気を抜き過ぎないように過ごしてきました。その成果をシーズンで出していけたらいいなと思っています。
――どんなことに取り組んでいましたか。
これまでのオフは中京大のリンクだけで練習していましたが、ジャンプを見直したいと思い、違うリンクに出掛けて、教えてもらうこともしました。
――楽しみですね。昨季はどんなシーズンでしたか。
久しぶりに海外の試合に何度も出場できて、すごくいい経験ができたと思います。
――手応えがあった演技はありますか。
昨年10月の(準優勝した)GPシリーズ、スケートカナダのフリーです。ショートプログラムは(10位で)すごく悔しかったんですけど、フリーは(1位と)自分ができる最高の演技ができて、それがすごく印象に残っています。
――つらい時期もあったと思いますが、どう気持ちを切り替えてきましたか。
昔からそうなんですけど、それが本当に下手で、引きずっちゃうタイプです。母や先生からの励ましの言葉がないと立ち直れないので、とにかく泣いて、全部出し切ってから、その言葉を一つひとつ整理していくことをしています。
――切り替えは本当に難しいね。浅田真央さんに憧れて競技を始めて、クラブも同じ。交流はありますか。
この前のアイスショーで「最近、どう? スケートは楽しい?」って声をかけていただきました。うまくいかない時に、一緒に泣いて話を聞いていただいたことがあったんです。「最近は楽しくできています」って答えたら、「それが一番。安心した」って言ってもらえました。たくさん経験されている方なので、それを伝えてくれるのは、ありがたいですし、わかってもらえていると感じて、すごくうれしかったですね。
長く競技続ける
――ふだんはどんなふうに心を落ち着かせて、試合に臨んでいますか。
スケート靴を履き終わった後、(5学年上の)お姉ちゃんが作ってくれたお守りを握って、深呼吸してから出るというのは毎回やっています。
――支えになりますね。将来の夢を教えてください。
オリンピックはスケートを始めた時から出てみたいと思って、やってきました。一つひとつ丁寧に、自分の精いっぱいを出していけば、きっと大きな舞台につなげられると思います。それと、おばあちゃんになるまで競技を続けたいということも思ってきました。最後まで一生懸命やって、後からフィギュアを始めた人たちの憧れの選手になりたいと思っています。
まついけ・りの 名古屋市出身。9歳からフィギュアスケートを始め、2020年の全日本選手権で4位。同選手権は北京五輪の出場権がかかった21年は7位。22年は13位、23年は17位と調子を崩したが、昨季は復調し、5位に入った。コーチは山田満知子さん、本郷裕子さんら。身長1メートル51。趣味はコラージュ作り、散歩など。
柔らかい滑りが特徴
取材後記
松生選手とは私が選手時代、中京大のリンクで一緒に練習していた時期があります。ジャンプやスピン、スケーティングの技術も高くて丁寧で、本当にまじめな選手だなと感心しました。
滑りの特徴は、柔らかさです。人柄は優しくて、控えめ。愛らしい笑顔そのままです。松生選手も、自身の個性を理解していて、振付師のローリー・ニコルさんに「私は穏やかな曲調が得意なので、そういう曲で振り付けをしていただけたら、うれしいです」とリクエストしたそうです。強みを知っていることは、大きいですね。いつか滑ってみたい曲は、浅田さんがニコルさんの振り付けで滑ったことがあるリストの「愛の夢」だそうです。きっとすてきなプログラムになると思います。
まもなく来年のミラノ・コルティナ五輪に向けたシーズンが始まります。松生選手にとって納得できるシーズンになるように、私も応援しています。
本郷理華(ほんごう・りか) 1996年生まれ。5歳でフィギュアスケートを始め、2015年から3年連続で世界選手権に出場した。現在はコーチやプロスケーターなどとして活躍する。中京大出身。