兵庫漏えい問題 告発者の人格を貶める卑劣さ

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 知事のパワハラ疑惑を告発した県職員の私的な情報が外部に流出し、その漏えいを指示したのが知事本人だった疑いが強まっている。

 告発者の人格を おとし め、告発が虚偽だと印象づける狙いがあったのなら、卑劣極まりない。公益通報制度の根幹を揺るがしかねず、知事の責任は免れない。

 兵庫県の斎藤元彦知事に関する内部告発問題で、県の第三者委員会は、告発した前県西播磨県民局長の男性の私的情報を、前総務部長が県議3人に漏えいしたと認定する調査報告書を公表した。

 第三者委の調べに、前総務部長ら複数の幹部が「知事から『情報共有しておいたら』と指示を受けた」と証言しており、報告書は「漏えいは斎藤氏の指示だった可能性が高い」と結論付けた。

 斎藤氏は記者会見で「指示していない認識だ」と否定したが、問われているのは「認識」ではなく「事実」だ。事実を認めたくないという姿勢ばかりが目立つ。

 告発内容とは無関係の、告発者自身の私的情報を県議会に漏えいさせたことは、議会への根回しという形で「告発者潰し」を狙ったとの見方が強い。前局長はその後、死亡した。自殺とみられる。

 これまでも斎藤氏は、人ごとのような対応を繰り返し、責任逃れに終始してきた。

 前局長が告発した内容の事実関係を調査した別の第三者委から、知事のパワハラを認定され、内部告発への対応について「違法」「不適切」と指摘された際も、県の対応は適切だったと強弁し、自身への処分は行わなかった。

 公益通報制度に関する斎藤氏の発言について、消費者庁が「公式見解と異なる」と苦言を呈した時も、「一般的な法解釈のアドバイスをいただいた。重く受け止めたい」と述べるにとどまった。

 今回、情報漏えいについて「組織の責任」という形で、自身への処分と前局長の遺族への謝罪を検討すると述べたが、漏えいへの自身の関与は認めていない。それでは、遺族は到底納得できまい。

 県政の混乱は一向に収まらない。兵庫県では昨年度、知事部局の退職者が100人を超えた。県は転職市場の活性化を理由に挙げるが、斎藤県政に見切りをつけた人も少なくないのではないか。

 斎藤氏が知事の任に値しないことは明らかだ。いつまで問題の深刻さから目を背け、居直り続けるつもりなのか。自ら進退を決しないのであれば、県議会が改めて辞職を迫ることも選択肢だろう。

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6692681 0 社説 2025/05/29 05:00:00 2025/05/29 05:00:00
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